HOME » コラム » 5選 » 勝ち馬にはあの超良血名牝も! 乙女たちが最後の一冠を狙うために負けられない前哨戦【ローズS 5選】 » ページ 2
Air Messiah
第23回ローズステークスのエアメサイア

②2005年(勝ち馬エアメサイア)

 アドマイヤグルーヴの勝利から2年が経った、2005年のローズステークス。この年もまた、戦前から2頭による一騎打ちムードが高まっていた。

 1頭目はラインクラフト。牝馬3冠の1冠目となる桜花賞を勝利しながら、距離適性を鑑みてオークスを回避。NHKマイルCで牡馬相手にG1連勝を飾っていた。実績は3歳牝馬随一のものがあり、あとは阪神外回りの二千への対応のみといった評価であった。

 もう1頭はエアメサイア。こちらは桜花賞4着、オークス2着とG1タイトルには手が届いていなかったが、オークス2着という結果から、距離に関しての不安がない点が強みであった。
1番人気は単勝2.2倍のラインクラフトで、単勝2.4倍と僅差の2番人気がエアメサイア。2頭の馬連は2.3倍と、この2頭に人気が集中して、発走を迎えた。

 レースは、エイシンテンダーがハナを切り、スタート直後に若干行きたがるそぶりを見せたラインクラフトは2番手を追走。エアメサイアは中団馬群の前あたりにポジションを取った。前半1000mの通過は61秒0で2年前と同じペースであるが、勝ち時計が1.5秒も違うことを考えると、この年のペースはよりスローな部類。2番手につけていたラインクラフトは、4角手前で馬なりのまま先頭のエイシンテンダーに並びかけ、外から首をのぞかせて4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、エイシンテンダーを突き放したラインクラフトが後続を引き離していく。外に持ち出したエアメサイアが残り200mで2番手に上がった時には、先頭のラインクラフトまでの差は4馬身ほどあった。しかしそこからエンジンのかかったエアメサイアが一気に差を詰め、戦前の予想通りにマッチレースの様相。最後はきっちりと半馬身交わしたエアメサイアが勝利し、嬉しい重賞初制覇を飾った。

 ちなみに、この2頭はともに秋華賞に駒を進め、同じ二千でも京都の内回りならと、再びラインクラフトが1番人気に支持された。しかし結果は、ローズステークス同様にエアメサイアの差し切り勝ち。この2頭の馬連はローズステークス以上に支持を集め、なんと1.8倍であった。

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