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Gran Alegria
第38回マイルCSを制したときのグランアレグリア

⑩2021年(勝ち馬グランアレグリア)

 ダイワメジャーの連覇達成から14年が経った、2021年のマイルチャンピオンシップ。14年ぶり6頭目となるマイルチャンピオンシップ連覇を果たしたのは、史上初の牝馬による連覇達成となったグランアレグリアであった。

 グランアレグリアは、3歳時に桜花賞を制してG1初制覇を果たすと、4歳時には安田記念、スプリンターズSマイルチャンピオンシップとG1を3連勝。元々実績のあったマイル戦だけでなく、スプリント戦でも結果を残した。

 迎えた5歳シーズンは、3階級制覇を目指して中距離のG1に挑戦。大阪杯4着、天皇賞(秋)3着と惜しくも勝利こそならなかったが、前例のないチャレンジにファンはワクワクした。

 そんなグランアレグリアが引退レースに選んだのが、連覇を目指すマイルチャンピオンシップであった。単勝オッズ1.7倍という1番人気の支持を受け、発走を迎えた。

 レースは、最内枠を利してホウオウアマゾンがハナを切り、こちらも内枠からクリノガウディーが2番手へとつける。注目のグランアレグリアは、中団後方寄りからの競馬。馬群の中でじっくりて脚をためる形となっていた。

 前半の800m通過は47秒6。かなりのスローペースで進んだことで馬群は一気に凝縮して4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、逃げるホウオウアマゾンにサリオスが差を詰め、さらにその外からインディチャンプも並びかけてくる。しかしその3頭の争いを、馬群の大外からまとめて差し切ったのがグランアレグリア。残り100mを切ったところでインディチャンプを捕らえると、そのまま先頭でゴールを駆け抜けて有終の美を飾った。

 2着には馬群をさばいて伸びてきたシュネルマイスターが入り、グランアレグリアと連れるように伸びたダノンザキッドが半馬身差の3着となった。

 勝ったグランアレグリアは、引退レースを見事に飾り、6つ目のG1タイトルを獲得。マイルチャンピオンシップ連覇は史上6頭目だが、牝馬による連覇は史上初の快挙となった。

 このように、歴代の勝ち馬には名マイラーと呼ばれる馬たちがズラリと並ぶ、マイルチャンピオンシップ。春の安田記念と比較して、連覇を達成する馬が多いことも特徴的である。今後はどんな名馬がこのレースから生まれるのか、楽しみにしながら見ていきたい。

【了】

(文●中西友馬)

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