④1991年(勝ち馬ダイタクヘリオス)
オグリキャップとバンブーメモリーの死闘から2年が経った、1991年のマイルチャンピオンシップ。
この年の1番人気は、5歳(現4歳)牝馬のダイイチルビー。同年春の安田記念で断然人気のバンブーメモリーを3着に下し、G1初制覇を飾っていた。春秋マイルG1制覇を目指して出走しており、1600m以下では7戦5勝2着2回という、抜群の安定感を誇っていた。
対する2番人気は、4歳(現3歳)牡馬のケイエスミラクル。こちらはまだデビューして7ヶ月弱の身ながら、前哨戦のスワンSでダイイチルビーを下して重賞初制覇。満を持してのG1初挑戦であった。
短距離志向の強い馬でマイルでの勝ち鞍こそなかったが、まだ8戦とキャリアが少なく、1戦ごとの伸びしろに期待されての2番人気であった。この2頭のみが単勝10倍を切る人気に推され、発走を迎えた。
レースは、外枠からでも押してカシワズパレスがハナを主張し、パッシングルートが2番手につける展開。ダイイチルビーとケイエスミラクルは、ともに後方集団から進める形となった。
序盤こそカシワズパレスが3馬身ほど離す逃げを打っていたが、3角では前の2頭にダイタクヘリオスを加えた3頭が横並びの隊列となる。ダイイチルビーが先に動いて好位の後ろまで浮上し、ケイエスミラクルはそれをマークするように連れて上がってくる形で4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入ると、前の争いからダイタクヘリオスが抜け出して先頭。2番手以降は大激戦で、バンブーメモリーやダイイチルビー、ケイエスミラクルやダイユウサクなどが横に広がっての追い比べ。しかしそれらの争いを尻目に、ダイタクヘリオスは早め先頭から押し切っての勝利。2馬身半差の2着はダイイチルビーが辛くも確保し、さらに半馬身差の3着にはケイエスミラクルが入った。
勝ったダイタクヘリオスは、スワンS9着から見事に立て直しての勝利。同年の安田記念でも10番人気でダイイチルビーの2着に食い込んでいたが、悲願のG1初制覇となった。
ダイタクヘリオスはその後、翌年のマイラーズCと毎日王冠を勝利して重賞タイトルを上積みすると、マイルチャンピオンシップも勝利。ニホンピロウイナー以来、史上2頭目となるマイルチャンピオンシップ連覇を達成した。