④2019年(勝ち馬コントレイル)
ワグネリアンの勝利から2年が経った、2019年の東京スポーツ杯2歳ステークス。この年も8頭立てと少頭数での争いとなったが、世代トップクラスの素質馬がメンバーに名を連ねていた。
1番人気はコントレイル。阪神の新馬戦を勝ったばかりで1戦1勝であったが、その新馬戦が好位で折り合って上がり最速33秒5の脚で突き抜ける、文句のつけようがない内容。初の関東遠征や初の左回りなど、今回クリアしなければいけない課題はあったが、素質が評価されて1番人気に支持されていた。
2番人気はアルジャンナ。こちらも、コントレイルと同じく阪神の新馬戦を勝利していた1戦1勝馬。その新馬戦は、5頭立てと少頭数とはいえ1.1倍と断然の1番人気。出負けして後方からのレースとなったが、余裕の差し切りで断然人気に応えた。こちらも初の東京コースがカギとなっていた。
3番人気はラインベック。父ディープインパクト、母アパパネという3冠馬同士の夢のような配合で誕生したラインベックは、中京の新馬戦と中京2歳Sを連勝。ともに派手な勝ち方ではなかったが、今回と同じ左回りで連勝している点が前出2頭に対してのアドバンテージであった。この3頭が単勝10倍以下に推され、発走を迎えた。
レースは、マイネルデステリョがハナを切り、2番手集団は3頭が一団。ラインベックはその3頭の最内で、そこから少し離れた中団にコントレイル。アルジャンナは後方2番手あたりから進める形となった。
この年も少頭数にしては淀みのないペースで流れ、大きな動きがないまま4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入ると、逃げるマイネルデステリョのリードは少なくなり、2番手集団の中からラインベックが捕らえにかかる。しかしそれも束の間、離れた外から一気にコントレイルが伸びて、残り400mを切ったあたりであっさりと先頭へと立つ。
その後ろからアルジャンナも伸びてきて2番手へと上がるが、先に抜け出したコントレイルとの差は詰まらない。最後まで気を抜かせないようにと鞍上のムーア騎手が追い続けたコントレイルは、2着のアルジャンナに5馬身の差をつけて勝利した。
そこから4馬身離れた3着にはラインベックが入り、上位人気3頭での決着となった。
勝ったコントレイルは、デビューから2戦2勝で重賞初制覇。その後は、続くホープフルSでG1初制覇を飾ると、翌年も連戦連勝で3冠を完全制覇を果たした。シンボリルドルフ、ディープインパクトに続く、史上3頭目となる無敗の3冠馬へと輝いた。