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Wagnerian
第22回東スポ杯2歳Sを制したときのワグネリアン

③2017年(勝ち馬ワグネリアン)

 ディープブリランテの勝利から6年が経った、2017年の東京スポーツ杯2歳ステークス。この年は7頭立てと少頭数ながら、2頭の素質馬の対決に注目が集まっていた。

 1番人気はワグネリアン。中京二千の新馬戦を勝った後、野路菊Sも勝利して2戦2勝。新馬戦はハナ差の辛勝であったが、その2着馬ヘンリーバローズは次走の未勝利戦を圧勝。

 新馬戦もその2頭で3着馬を5馬身引き離しており、レベルの高い争いであったと見られていた。その評判通り、ワグネリアンは野路菊Sも快勝。今回も単勝1.4倍の1番人気に推されていた。

 2番人気はルーカス。こちらは1戦1勝であるが、今回と同じ千八の新馬戦を快勝。内容的にも、小回りの札幌ではあまり見られない差し切り勝ちで、2歳馬離れしたレースセンスが感じられた。

 またモーリスの全弟という血統背景から東京の軽い芝でさらにパフォーマンスを上げる可能性も考えられ、単勝3.1倍の2番人気に支持されていた。単勝10倍を切る人気はこの2頭のみで、完全な一騎打ちムードで発走を迎えた。

 レースは、好スタートを決めたコスモイグナーツがハナを切り、ケワロスが2番手を追走。ワグネリアンは中団後方寄りから進め、それをぴったりとマークする形で運ぶルーカスは、後方2番手あたりの位置どりとなった。

 2歳戦にしてはペースは流れ、7頭立てにも関わらずかなり縦長の展開。前の3頭と後ろの4頭に大きく分かれる形となったが、勝負どころの3〜4角中間あたりで後方集団が一気に差を詰めてきて4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ってもコスモイグナーツが先頭をキープしていたが、後続が横に広がって襲いかかる。その一番大外から一気に突き抜けたのが、後方に待機していたワグネリアン。残り300mあたりで前をまとめて差し切ると、目いっぱいに追われることなくとも後続を突き離し、最後は3馬身差の快勝。

 2着争いは激戦となったが、それを制したルーカスがなんとか2着は確保。クビ差の3着にシャルルマーニュが入った。

 勝ったワグネリアンは、デビューから無傷の3連勝で重賞初制覇。その後休養を挟み、弥生賞2着を経て1番人気で皐月賞に挑むも7着に敗れた。

 ダービーでは人気を落として5番人気となるも、外枠から押して好位のポジションを取ると、逃げる皐月賞馬のエポカドーロを差し切り勝利。第85代ダービー馬に輝くとともに、鞍上の福永騎手にとっても悲願のダービー制覇となった。

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