HOME » コラム » 5選 » クロフネ“9馬身差の衝撃レコードV”や“若かりし頃”のノンコノユメなど【武蔵野S 名勝負5選】 » ページ 4
Nonkono Yume
第20回武蔵野Sを制したときのノンコノユメ

④2015年(勝ち馬ノンコノユメ)

 ベルシャザールの勝利から2年が経った、2015年の武蔵野ステークス。この年は3歳馬3頭に人気が集中していた。

 単勝1.7倍の1番人気はモーニン。デビューこそ3歳5月と遅かったが、既走馬相手にデビュー勝ちを飾ると、そこからノンストップの4連勝でOP入り。重賞初挑戦だが、まだ底を見せていないポテンシャルが評価されての1番人気であった。

 単勝3.9倍の2番人気がノンコノユメ。こちらはすでにユニコーンSで重賞を勝利。さらに前走のジャパンダートダービーでは、G1級制覇まで果たしていた。実績はモーニンと比べて断然のものがあったが、そのぶん斤量は58キロ。55キロのモーニンと比較すると、かなり大きな3キロ差となっていた。

 そして単勝5.1倍の3番人気がゴールデンバローズ。こちらは重賞勝ちこそないが、UAEダービーで3着の実績。帰国後の2戦がピリッとしなかったが、この馬もモーニンと同じく55キロで出走できるのは、大きなアドバンテージであった。

 レースは、大外枠からでもハナを主張したセカンドテーブルが逃げる展開。人気馬の中では、好位につけたモーニンが一番前。そして、その直後にゴールデンバローズがぴったりとマークする展開。ノンコノユメは後方からの競馬となっていた。脚抜きの良い馬場を考えても速めのペースで流れ、縦長の馬群のまま4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入るとすぐ、逃げていたセカンドテーブルは失速。2番手からタガノトネールが先頭へと立つ。その直後にいたモーニンが絶好の展開かと思われたが、タガノトネールとの差がなかなか詰まらない。そこに外からただ1頭伸びてきたのがノンコノユメ。逃げるタガノトネールに追うノンコノユメ。ゴール線上でちょうど並んだように見えた2頭の争いは、写真判定の末、ハナ差でノンコノユメが制した。

 勝ったノンコノユメは、続くチャンピオンズCと翌年のフェブラリーSで連続2着。その後もG1級で善戦を続けていたが、なかなか勝利が遠かった。しかし、6歳となった根岸Sで2年2ヶ月ぶりとなる勝利を挙げると、続くフェブラリーSでは3頭によるゴール前の争いを制し、ついに待望のG1初制覇。

 その後は大井に移籍し、交流重賞でも中央馬相手に互角の戦いを見せた。息の長い活躍で、10歳まで現役生活を続けたノンコノユメ。多くのファンから愛される馬であった。

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