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砂の女王の称号をかけた熱戦! サンビスタやホワイトフーガなど【JBCレディスクラシック名勝負 5選】

text by 中西友馬

アメリカのブリーダーズカップに着想を得て、2001年に創設されたJBC競走。創設当初はクラシックとスプリントのみであったが、2011年に新設されたのがJBCレディスクラシックである。このシリーズは地方競馬場を持ち回りで開催するため、競馬場ごとに距離設定が異なるが、基本的には本家BCディスタフと同じく1800mを基準とされている。そんな牝馬のダート最強決定戦であるJBCレディスクラシックの歴史の中から、5つのレースをピックアップして紹介する。

Miracle Legend
第1回JBCレディスクラシックを制したときのミラクルレジェンド

①2011年(勝ち馬ミラクルレジェンド)

 最初に取り上げるのは、記念すべき第1回となった2011年の大井で行われたJBCレディスクラシック。この年は、レース前から完全なる2強対決という見立てであった。

 1番人気は5歳馬のラヴェリータ。交流重賞7勝を挙げた実績は出走メンバーの中でも随一で、同年のかしわ記念ではフリオーソとエスポワールシチーの間に割って入っての2着と大健闘した。鞍上も百戦錬磨の武豊騎手で、単勝1.6倍の支持を受けていた。

 そのラヴェリータを、前哨戦のレディスプレリュードで差し切ったのが、単勝2.0倍で2番人気の4歳馬ミラクルレジェンドであった。こちらはまだ、そのレディスプレリュードを合わせても重賞3勝のみだったが、本番と同じ舞台でライバルを倒したことは大きなアドバンテージであった。ただし、その前哨戦では1キロ軽かった斤量が、今回は同じになるのがポイントとされていた。

 レースは、エーシンクールディとブラボーデイジー、さらにはカラフルデイズが1コーナーまで少し競り合いとなるが、内枠を利してエーシンクールディがハナを切る。その3頭を前に見る形で、ラヴェリータはポツンと4番手を追走。ミラクルレジェンドは、その後ろの5番手集団から進めていた。人気2頭は徐々に前3頭との差を詰め、5頭が一団となって4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、勢いの違うラヴェリータとミラクルレジェンドが抜け出し、完全なマッチレースとなる。その争いから抜け出したのは、ラヴェリータをマークする形を取っていたミラクルレジェンド。残り200mで前に出ると、粘るラヴェリータを振り切って勝利した。3着のカラフルデイズは、ラヴェリータから7馬身も離れており、前評判通りの一騎打ち決着であった。

 記念すべき初代女王に輝いたミラクルレジェンドは、翌年の川崎JBCレディスクラシックも勝利。連覇を達成し、JBCレディスクラシックの新たな歴史にその名を刻んだ。

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