④2017年(勝ち馬テイエムジンソク)
インカンテーションの勝利から3年が経った、2017年のみやこステークス。この年の1番人気は、3歳馬のエピカリス。古馬との初対戦となるが、デビューから4戦4勝で挑戦したUAEダービーでは、後にドバイWCを連覇するサンダースノー相手にアタマ差の接戦で2着。ポテンシャルの高さは折り紙つきであった。
迎え撃つ古馬代表の2番人気は、5歳馬のテイエムジンソク。デビューから18戦連続で竹之下騎手が手綱を執っていた馬だったが、この年の春に古川騎手に乗り替わると3連勝。重賞初挑戦となったエルムSでもレコード決着の2着に入り、重賞タイトル奪取まであと一歩と迫っていた。
レースは、内枠を利してサルサディオーネがハナを切る展開。同じく押して出していったモンドクラッセが2番手につけ、テイエムジンソクは好位の外めをキープする。エピカリスは、序盤は中団馬群の外で前の戦況を窺っていた。前半1000mの通過は60秒1と、良馬場にしては若干速めの流れで進む。
レースが動いたのは4角手前。前を進む2頭が早々と苦しくなり、持ったままでテイエムジンソクが先頭へと立つ。エピカリスも馬群の大外からまくるように上がっていき、好位集団に取りついて4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入ってもテイエムジンソクの脚いろは衰えず、後続との差は詰まらない。テイエムジンソクに連動する形で2番手に上がったルールソヴァールも2番手を確保し、逆に苦しくなったのが、3番手から前を追っていたエピカリス。
それを交わして後方待機のキングズガードが3番手に上がる。しかし前の2頭を脅かすまでには至らず、テイエムジンソクが2馬身半差の快勝。ルールソヴァール、キングズガードの順に入線した。
勝ったテイエムジンソクは、嬉しい重賞初制覇。続くG1のチャンピオンズCでは1番人気に支持されたが、ゴールドドリームのクビ差2着に惜敗し、G1タイトル奪取はならなかった。あと一歩まで迫った、古川騎手20年ぶりのG1制覇も達成とはならなかった。しかし、テイエムジンソクの現役引退までタッグを組み続け、印象に残る名コンビであった。