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Incantation
写真は第22回武蔵野Sを制したときのインカンテーション

③2014年(勝ち馬インカンテーション)

 エスポワールシチーの勝利から2年が経った、2013年のみやこステークス。この年の勝ち馬はブライトラインだったが、単勝7番人気ながらハナ差の2着に健闘したのが、3歳馬のインカンテーションであった。翌年、4歳となったインカンテーションはオープン特別を連勝して、再びみやこステークスへと出走した。

 この年の1番人気は、直前のシリウスS覇者クリノスターオー。インカンテーションと同じ4歳馬で、直接対決となった同年のエルムSでは、クリノスターオーが5馬身先着していた。

 2番人気がインカンテーションで、3番人気はエスポワールシチーが勝利した2011年の3着馬、7歳となったニホンピロアワーズであった。

 レースは、クリノスターオーがハナを窺うが、その外からそれを制してサトノプリンシパルが先頭に立つ。クリノスターオーは2番手につけ、ニホンピロアワーズは好位からの競馬となる。インカンテーションは中団後ろの外めに構え、前の戦況を窺っていた。前半1000mの通過は61秒3とほぼ平均ペースで流れ、4角を回って最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、2番手につけていたクリノスターオーの反応が悪く、その外からまくり気味に進出してきたナムラビクターが残り200mで先頭に立つ。

 しかし、それを目標に差し脚を伸ばしたインカンテーションが残り100mで抜け出すと、連れて伸びてきたランウェイワルツに半馬身の差をつけて勝利。そこからアタマ差遅れた3着に、直線で一旦先頭の場面があったナムラビクターが入った。

 勝ったインカンテーションはその後、骨折による2度の長期休養がありながらも、8歳までダートの一線級で活躍。特に8歳で出走したG1フェブラリーSでは、クビ+クビ差の3着に健闘。7歳秋から主戦となった三浦騎手とのコンビで、人馬ともに中央G1初制覇まであと一歩に迫る走りを見せた。

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