②2011年(勝ち馬エスポワールシチー)
トランセンドの逃走劇から1年が経った2011年。この年断然の支持を集めたのは、この時点でG1級5勝という圧倒的な実績を誇る、エスポワールシチーであった。2009年のかしわ記念から丸1年負けなしでG1級のレースを5連勝。ダート界の頂点に君臨していた。
しかし、2010年のマイルCS南部杯でオーロマイスターに足下をすくわれてから歯車が狂い出し、そこからの1年間での勝利は名古屋大賞典の1勝のみ。そんな状況で迎えたのが、2011年のみやこステークスであった。
58キロを背負いながら、単勝オッズ1.6倍という断然の1番人気。今まで積み上げてきた実績からも、負けられない一戦となっていた。
レースは、条件戦を逃げて連勝中だったトウショウフリークがハナを切る展開。エスポワールシチーは2番手となり、逃げ馬をぴったりとマークしていた。脚抜きの良い馬場とはいえ、前半1000mの通過は59秒5と速めのペースで推移し、4角を回って最後の直線へと向かう。
直線に入ってもトウショウフリークが踏ん張っていたが、残り300m辺りで2番手からエスポワールシチーが先頭へと抜け出す。そこからは後続との差を少しずつ広げ、最後は3馬身半の差をつけての快勝。2着には交わされてからもしぶとさを見せたトウショウフリークが入り、そこから半馬身差の3着はニホンピロアワーズとなった。
勝ったエスポワールシチーは、翌年にG1級を2勝上積み。さらにその翌年の8歳シーズンにもG1級を2勝して、現役引退までにG1級タイトルを9つまで伸ばした。
第1回と第2回の勝ち馬に、トランセンドとエスポワールシチーというダート界の名馬が刻まれたことにより、みやこステークスはチャンピオンズC(JCダート)のステップレースとしてのポジションを確立。その後2014年からは、このレースの1着馬に、チャンピオンズCの優先出走権が与えられるようになったのであった。