④2016年(勝ち馬シュヴァルグラン)
ゴールドアクターの父仔制覇から1年が経った、2016年のアルゼンチン共和国杯。この年の主役は、ウマ娘で再度脚光を浴びた、キタサンブラック世代のシュヴァルグランであった。
シュヴァルグランは、3歳時のクラシックへの出走は叶わなかったが、徐々に力をつけ、4歳春の阪神大賞典で重賞初制覇。満を持してG1へと挑戦するも、天皇賞(春)では3着、宝塚記念では9着と敗れた。ともに同世代のキタサンブラックに先着を許しており、秋のG1でのリベンジを誓ってアルゼンチン共和国杯を始動戦としていた。
オッズは割れており、単勝10倍以下は4頭。1番人気はOP特別2勝、斤量56.5キロのモンドインテロ。2番人気に斤量58キロとトップハンデのシュヴァルグランが続き、3番人気は条件戦を勝ったばかりで斤量55キロのヴォルシェーブ。
4番人気にステイヤーズSの覇者アルバートが斤量57キロで続いていた。この4頭は単勝3〜5倍台で拮抗しており、戦前から4強と見られていた。
レースは、クリールカイザーがハナを切り、モンドインテロとシュヴァルグランは並ぶように好位の後ろを追走。アルバートとヴォルシェーブは、中団後ろで脚をためていた。スローな流れで進んでいき、一団のまま4角を回って最後の直線へと向かう。
直線に入っても先頭をキープしていたクリールカイザーだが、人気各馬が横に広がって襲いかかり、残り200mでシュヴァルグランが先頭へと立つ。内からモンドインテロ、外からアルバートとヴォルシェーブが差を詰めようとするが、斤量差を感じさせない走りでシュヴァルグランが押し切って勝利。
半馬身差の2着にアルバート、さらにアタマ差の3着にはヴォルシェーブが入り、勝ち馬の外へと出した2頭が2.3着を確保した。
勝ったシュヴァルグランは、次走のジャパンカップで打倒キタサンブラックに挑むも3着に敗れた。続く有馬記念でも6着となり、またもキタサンブラックには先着できず。翌年の天皇賞(春)でも2着に敗れ、対キタサンブラック5連敗となった。
続く宝塚記念で初めてキタサンブラックには先着したものの、結果は8着。不完全燃焼のまま終われないと臨んだジャパンカップで、ボウマン騎手と初タッグを組んで勝利。キタサンブラックを3着に下し、G1初制覇を飾ったのであった。