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Gold Actor
第53回アルゼンチン共和国杯を制したときのゴールドアクター

③2015年(勝ち馬ゴールドアクター)

 スクリーンヒーローの勝利から7年が経った、2015年のアルゼンチン共和国杯。この年の主役であるゴールドアクターの父は、そのスクリーンヒーロー。父名から連想して名付けたとも思われるこの馬が、アルゼンチン共和国杯史上初となる父仔制覇を達成した。

 ゴールドアクターは、3歳時に春のクラシックには間に合わなかったが、夏の条件戦を連勝して挑んだ菊花賞で、トーホウジャッカルの3着。そこから長い休養を経て迎えた4歳初戦も快勝。そして父が2着に敗れたオクトーバーSも勝利し、単勝2.1倍の1番人気に支持されてアルゼンチン共和国杯へと出走していた。

 レースは、スズカデヴィアスがハナを切り、メイショウカドマツが2番手を追走。ゴールドアクターはそのすぐ後ろ、好位の外めでいつでも抜け出せる態勢を作っていた。雨の降る重馬場ということを差し引いてもゆったりとした流れで進み、その隊列のまま4角を回って最後の直線へと向かう。

 直線に入るとすぐ、2番手からメイショウカドマツが先頭へと立つ。その外からゴールドアクターが差を詰めようとするが、重い馬場に脚を取られて伸びあぐねる。

 このままメイショウカドマツが押し切るかにも思われたが、自力の違いでジリジリと差を詰めたゴールドアクターが、ゴール前でアタマ差捕えて勝利。2着にはメイショウカドマツが入り、後方から追い込んだ3歳馬レーヴミストラルが2馬身半差の3着となった。

 勝ったゴールドアクターは、重賞初制覇を飾ったと同時に、父スクリーンヒーローとの父仔制覇を達成。これは、アルゼンチン共和国杯史上初の快挙となった。

 ゴールドアクターはその後、父と同じジャパンカップではなく、年末の有馬記念に出走。8番人気と伏兵扱いであったが見事勝利し、G1初制覇を飾った。鞍上の吉田隼人騎手にとっても嬉しいG1初勝利となった。

 また、現役引退後は種牡馬入りを果たしたため、今後もしかしたら、3世代に渡ってのアルゼンチン共和国杯制覇が見られるかもしれない。

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