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Tower of London
第53回京王杯2歳Sを制したときのタワーオブロンドン

⑤2017年(勝ち馬タワーオブロンドン)

 グランプリボスの勝利から7年が経った、2017年の京王杯2歳ステークス。この年の主役は、後にスプリンターズステークスを制するタワーオブロンドンであった。

 タワーオブロンドンは、7月の札幌で新馬勝ちを飾ると、続くクローバー賞では2着に敗れるも、3戦目のききょうSを勝利。3戦2勝でここに臨んでいた。ききょうSが3馬身半差の快勝だったこともあり、単勝1.8倍と抜けた1番人気に推されて発走を迎えた。

 レースは、タイセイプライドがハナを切る展開。最内枠から好スタートを切ったタワーオブロンドンは、中団のインコースまで下げて、じっくりと脚をためていた。前半600mの通過は36秒0とゆったりした流れで進み、比較的一団のまま4角を回り、最後の直線へと向かう。

 タイセイプライドが先頭をキープしていたが、残り300m辺りで2番手からアサクサゲンキが先頭へと立つ。それを目がけて内からカシアスが迫るが、残り100m辺りでそれらを一気に交わしたのが、外へと持ち出していたタワーオブロンドン。

 最後は2着のカシアスを2馬身突き放しての快勝。カシアスから半馬身遅れた3着には、アサクサゲンキが入った。

 勝ったタワーオブロンドンはその後、重賞を5勝する名馬へと駆け上がった。特に4歳時のG1スプリンターズステークスは、夏場も休まずレースに出走し続けての勝利。史上初となる、同年のサマースプリントシリーズ王者によるスプリンターズステークス制覇となり、当時話題となった。

 今回取り上げた5頭の主な勝ち鞍を順に並べると、有馬記念、オークス、東京大賞典、NHKマイルカップ、スプリンターズステークスとなる。芝の1200m〜2500mまでのG1馬が出ており、さらにはダートのG1馬まで生まれている。

 このように、非常に幅広い分野で活躍する馬を輩出している京王杯2歳ステークス。今後の勝ち馬はどんな路線で活躍していくのかにも注目して、レースを見ていきたい。

(文●中西友馬)

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