④2010年(勝ち馬グランプリボス)
ここまで3頭の後のG1馬を紹介してきたが、いずれも京王杯2歳ステークスとはイメージが結びつかないレースばかり。しかし、ブルーコンコルドの勝利から8年が経った2010年の勝ち馬グランプリボスは、京王杯2歳ステークスの勝ち馬らしい路線を歩み、G1馬となった。
この年の1番人気は、翌年の3冠馬オルフェーヴル。新馬戦勝利後、芙蓉Sでは後のヴィクトリアマイル覇者ホエールキャプチャにクビ差惜敗の2着。3戦目に京王杯2歳ステークスを選択していた。
2番人気は、翌年3歳にして安田記念を勝利するリアルインパクト。こちらは新馬戦を勝ったばかりであったが、その新馬戦が3馬身差の完勝。ポテンシャルの高さが評価されての2番人気であった。
そして3番人気はブラウンワイルド。小倉2歳S覇者であり、メンバー中唯一の重賞ウイナーでもあった。この3頭が単勝10倍を切る人気を集めて、発走を迎えた。
レースは、最内枠を利してテイエムオオタカがハナを切る展開。中団前目にブラウンワイルドとリアルインパクトはつけ、オルフェーヴルは中団後方寄りから進めていた。その隊列のまま4角を回り、最後の直線へと向かう。
最内でテイエムオオタカが粘りを見せていたが、好位のインを立ち回って直線は先行勢の外へと持ち出したグランプリボスが伸びてきて、残り200mを切った辺りで先頭へと躍り出る。
馬群の大外へと持ち出したオルフェーヴルに伸びはなく、グランプリボスの完勝かと思いきや、その内からリアルインパクトがひたひたと迫る。それでも最後は脚いろが同じとなり、グランプリボスが押し切っての勝利。リアルインパクトが2着となり、13番人気の伏兵テイエムオオタカが3着に粘り込んだ。
勝ったグランプリボスは、勢いそのままに続くG1朝日杯FSも勝利し、2歳チャンピオンに輝いた。ちなみに朝日杯FSの2着馬はリアルインパクトで、京王杯2歳ステークスに続いてのワンツー決着となった。
さらには翌年のNHKマイルカップも勝利し、古馬になってからは安田記念で2年連続2着。ともに13番人気と16番人気による激走で、特に2014年の安田記念は、「世界のジャスタウェイ」相手に雨中の叩き合い。ハナ差屈したが、安田記念史に残る名勝負を演じた。