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Umeno Fiber
第34回京成杯3歳Sを制したときのウメノファイバー(写真右)

②1998年(勝ち馬ウメノファイバー)

 グラスワンダーが衝撃の6馬身差で勝利してから1年が経った1998年。提供が京成電鉄から京王電鉄へと変わった初年度、レース名が「京王杯3歳ステークス」となった記念すべき1回目の勝ち馬は、後にクラシックも勝利したあの馬であった。

 この年人気を集めたのは、リザーブユアハート。デビューから連勝で函館3歳Sを制した馬であった。続く新潟3歳Sでは3着に敗れたが、巻き返しての重賞2勝目に期待が集まっており、単勝1.7倍の1番人気に支持されていた。

 続く2番人気はシルバーサーベル。ここまで挙げた2勝はともにダートであったが、ともに7馬身差と9馬身差というワンサイドゲーム。芝のすずらん賞では10着に敗れていたが、ポテンシャルの高さに支持が集まっていた。

 3番人気はアイビーS覇者のエイシンルバーンで、4番人気は新潟3歳S覇者のロサード。上位人気の面々はいずれも2勝馬という中で、発走を迎えた。

 レースは、シルバーサーベルがハナを切る展開。リザーブユアハートとエイシンルバーンはその直後の集団から進め、ロサードは中団馬群でじっくりと脚をためていた。その隊列のまま4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線では、シルバーサーベルが後続を振り切ったかと思われたが、中団から脚を伸ばしたロサードが追い上げる。しかしそれ以上に切れる脚を使ったのが、出走9頭のうち唯一の牝馬ウメノファイバーであった。

 大外を鮮やかに抜き抜けて重賞初制覇。接戦の2着争いを制したのはロサード。シルバーサーベルはクビ差の3着となった。

 勝ったウメノファイバーは、函館3歳S4着、札幌3歳S7着からの巻き返しに成功。9頭立て6番人気と戦前の評価はあまり高くなかったが、テン乗りの蛯名騎手がこの馬の良さをうまく引き出しての勝利であった。

 そのウメノファイバーと蛯名騎手のコンビは、翌年クイーンCも制覇。そして、オークスではトゥザヴィクトリーとの大接戦をハナ差制して、樫の女王に輝いた。

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