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Lord Quest
第61回スワンSを制したときのロードクエスト

③2018年(勝ち馬ロードクエスト)

 シンコウラブリイの勝利から25年が経った2018年のスワンステークス。この年の注目馬は、バンブーメモリーと同じく、OP特別からの連闘策で同年の安田記念を制した、モズアスコットであった。

 他馬より2キロ重い58キロを背負っていても圧倒的な支持を集め、単勝オッズは1.3倍。本番のマイルCSに向けて、どんな勝ち方をするかが注目の的であった。

 人気対抗は、2番人気で単勝5.6倍のロードクエスト。重賞2勝の実績馬であったが、最後の勝利から2年以上遠ざかっていた。単勝10倍以下はこの2頭のみであったが、2強というよりは1強+1頭という評価で発走を迎えた。

 レースは、レーヌミノルがハナを切り、注目のモズアスコットは後方集団外目からの競馬となる。スタートで立ち遅れたロードクエストは、モズアスコットをマークするように後方2番手で脚をためていた。

 その隊列のまま4角を回り、最後の直線へと向かう。レーヌミノルが先頭をキープしていたが、その内と外から好位勢が襲いかかり、ラチ沿いを抜けてきたグァンチャーレが残り200mで先頭に立つ。同じく好位から伸びるベステンダンクがそれを追うが、外から勢いよく追い込んできたのが、後方待機のモズアスコットとロードクエスト。

 残り50mを切ったところでモズアスコットがグァンチャーレを交わすも、その外をぴったりマークしていたロードクエストが、ゴール前のちょい差しを決めて勝利。モズアスコットはハナ差の2着に敗れ、さらに半馬身差の3着にグァンチャーレが入った。

 勝ったロードクエストは、3歳時の京成杯AH以来、2年1ヶ月ぶりの勝利で重賞3勝目。その後、中央競馬では勝ち星はおろか馬券圏内もなかったが、息の長い活躍で8歳まで重賞戦線を盛り上げてくれた馬であった。

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