④2018年(勝ち馬アップトゥデイト)
ニホンピロバロンの勝利から1年が経った、2017年の阪神ジャンプステークス。これを制したのは、前年2着の鬱憤を晴らしたアップトゥデイト(ちなみに2着は高田騎手騎乗のルペールノエルで、連続連対記録は継続)。
しかし、そんなアップトゥデイトの前には絶対王者オジュウチョウサンが立ちはだかり、JG1で4連敗。雪辱に燃えるアップトゥデイトが、中山大障害のステップレースとして出走したのが、2018年の阪神ジャンプステークスであった。
アップトゥデイトは、入障戦からコンビを組んできた林騎手が現役を引退。この年の小倉サマージャンプからは、以前一度だけ騎乗経験のあった白浜騎手と新コンビを結成していた。本番に向けて負けられないアップトゥデイトは、単勝1.1倍という圧倒的な支持を集めて1番人気に推され、発走を迎えた。
レースは、大方の予想通りにアップトゥデイトがハナを切る展開。後続をグングンと引き離し、気持ち良く逃げていく。そんなアップトゥデイトの大逃げをただ1頭追いかけてきていたのが、高田騎手騎乗のラヴアンドポップ。2周目の向正面あたりから少しずつ差を詰め、気づけばアップトゥデイトの1馬身後ろまで迫って4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線は完全に2頭による一騎打ちとなり、2頭ほぼ並んで最終障害を飛越。勢いは追いかけてきたラヴアンドポップにあるように見えたが、馬体を併せてからしぶとさを見せるアップトゥデイト。最後まで前に出させなかったアップトゥデイトが、ラヴアンドポップを半馬身差振り切って連覇達成。それと同時に、2着に入った高田騎手の連対記録も9年連続となった。
勝ったアップトゥデイトはその後、満を持して中山大障害に出走。オジュウチョウサンが有馬記念に挑戦したことにより、3年ぶりとなるJG1制覇の大チャンスが訪れたが、3角手前で早めに交わされる苦しい展開。さらには最終障害でバランスを崩して転倒し、よもやの競走中止。大怪我に至らなかったのが不幸中の幸いであったが、結果的にこの中山大障害を最後に現役を引退することとなった。