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4度制覇の「ミス阪神ジャンプS」など印象的な勝ち馬をピックアップ【阪神ジャンプS 5選】

text by 中西友馬

1999年に創設された阪神ジャンプステークス。創設当初は阪神芝3170mで行われていたが、2007年からは阪神芝3140mで施行されている。2024年時点で過去に4度、中京芝3300mで開催されており、今年も中京で行われる予定となっている。そんな阪神ジャンプステークスの歴史から、5つのレースをピックアップして紹介する。

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第12回阪神ジャンプSのコウエイトライ(写真左)

①2006年(勝ち馬コウエイトライ)

 最初に取り上げるのは、「ミス阪神ジャンプステークス」と呼んでも過言ではない、コウエイトライが勝利した2006年の阪神ジャンプステークス。ちなみに、この年は阪神競馬場の改修工事に伴い、中京芝3300mの障害コースで行われた。

 コウエイトライは、前年の2005年末に障害デビュー。入障戦でいきなり勝利すると、その後は2006年夏の小倉サマージャンプで、12番人気ながら10馬身差の圧勝。重賞2勝目を目指して、阪神ジャンプステークスに出走していた。
 
 この年の1番人気は、障害OPを連勝中のノボリハウツー。直前の平場OPでは、コウエイトライを2着に下していた。同年の中山GJ3着馬テレジェニックが2番人気で続き、コウエイトライは3番人気。4番人気は障害OP3勝の実績があるラージヒルジャンプで、この4頭までが単勝10倍を切る人気に推され、発走を迎えた。

 レースは、コウエイトライがハナを切る展開。勝利した小倉サマージャンプ同様、序盤は大逃げに近い形となる。ノボリハウツーは少し離れた2番手集団から進め、ラージヒルジャンプとテレジェニックは中団から。人気馬で最初に動いたのはラージヒルジャンプ。向正面から少しずつポジションを上げ、4角手前ではノボリハウツーと並んで2番手集団を形成。そのまま4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入っても、コウエイトライが先頭をキープ。その後ろからノボリハウツーとラージヒルジャンプが追いかけ、中団から伸びてきたテレジェニックも前の3頭に接近。人気上位4頭による争いとなる。最後は、障害レースには珍しい接戦のゴール前となったが、後続の猛追を辛くもしのいだコウエイトライが勝利。クビ差の2着にノボリハウツーが入り、さらにクビ差遅れた3着がラージヒルジャンプとなった。

 勝ったコウエイトライは、翌年のこのレースも制し、レース史上初となる連覇を達成。さらにはその翌年も制し、3連覇を成し遂げた。翌年は全休したため出走しなかったが、その翌年も勝利して通算4勝。スピードタイプだったため、距離の長いJG1には縁がなかったが、阪神ジャンプステークスでの強さはまさに「ミス阪神ジャンプステークス」そのものであった。

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