HOME » コラム » 5選 » ソングラインやエアジハードなどが魅せた!後のG1馬を多数輩出した出世レース【富士S名勝負5選】 » ページ 5
Songline
第24回富士Sを制したときのソングライン

⑤2021年(勝ち馬ソングライン)

 ノームコアが勝利した翌年の2020年、富士ステークスはG2へと格上げ。格上げ2年目となった2021年は、この後トップマイラーへと駆け上がる3歳牝馬ソングラインが主役となった。

 ソングラインは桜花賞こそ15着に敗れたが、NHKマイルカップでは牡馬相手にハナ差の2着。古馬との初対戦となった関屋記念では1番人気を裏切ったが、52キロという斤量利もあって、ここでも1番人気に支持されていた。

 2番人気は同じ3歳馬のダノンザキッド。2歳時にホープフルステークスを勝っている実績馬で、皐月賞以来久々の実戦であった。3番人気は4歳馬のロータスランド。前走の関屋記念では、ソングラインを破って勝利。さらに、前走で3キロあったソングラインとの斤量差が2キロに縮まっており、ここも有力視されていた。

 レースはロータスランドがハナを切り、前半600mの通過は35秒3と、少しゆったりめの入り。ソングラインはあまり良いスタートではなかったが、巻き返して中団位置を確保。そしてそのすぐ外にダノンザキッドがつける展開となる。その隊列のまま、4角を回って最後の直線へと向かう。

 ロータスランドが先頭をキープしていたが、馬群の中から抜け出してきたソングラインが、残り200mを切ったところで交わして先頭に立つ。そこに大外から襲いかかったのが、道中最後方を追走していたサトノウィザード。1完歩ごとに差を詰めるが、クビ差まで迫ったところがゴール。ソングラインが重賞初制覇を飾った。

 ソングラインはその後、翌年の安田記念でG1初制覇。5歳時にはヴィクトリアマイルと安田記念を連勝して、安田記念に関しては連覇を達成。トップマイラーの座を確固たるものとした。今後は繁殖牝馬としての活躍にも、期待が集まる。

 すでにG1を勝っている馬はもちろん、後にG1を勝つ馬の勝利も目立つ富士ステークス。直後のマイルチャンピオンシップだけでなく、その後の活躍を考えても、必見のレースである。

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