④2019年(勝ち馬ノームコア)
ダノンプラチナの勝利から4年が経った2019年。この年の富士ステークスは、春のマイルG1を制した2頭の参戦に盛り上がった。
1頭目はアドマイヤマーズ。NHKマイルカップを制した3歳馬で、2歳時には朝日杯フューチュリティステークスを勝利した実績もあった。2頭目はノームコア。こちらはヴィクトリアマイルを制した4歳馬で、勝ち時計の1分30秒5は芝1600mの日本レコードというおまけつきであった。
この2頭はともに、秋の始動戦としてこの富士ステークスを選択しており、1番人気はアドマイヤマーズで単勝2.1倍、2番人気のノームコアは単勝4.8倍で発走を迎えた。
レースは、トミケンキルカスがハナを切り、前半600mの通過は35秒0。稍重の馬場を考えると平均に近いペースで進む。アドマイヤマーズは中団からレースを進め、ノームコアはその直後の外につける展開となった。そのまま4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入ってもトミケンキルカスが最内でしぶとく粘っていたが、残り200mで馬体を離して伸びてきた、エメラルファイトが先頭に立つ。しかしその内からキャンベルジュニア、外からレッドオルガが伸びてきて大激戦。
その混戦を大外からまとめて差し切ったノームコアが先頭でゴール。連れて伸びてきたレイエンダが2着に入り、後方待機勢のワンツーとなった。
3着には、交わされながらもしぶとく伸びたレッドオルガが入り、中団からレースを進めたアドマイヤマーズは直線伸びず、9着に敗れた。
勝利したノームコアは、翌年の香港カップで2つ目のG1タイトルを獲得し、有終の美を飾った。敗れたアドマイヤマーズも、次走の香港マイルでノームコアへのリベンジを果たして勝利。ともに、海外G1で輝きを放ってみせた。