HOME » コラム » 5選 » ソングラインやエアジハードなどが魅せた!後のG1馬を多数輩出した出世レース【富士S名勝負5選】 » ページ 3
Danon Platina
第18回富士Sを制したときのダノンプラチナ

③2015年(勝ち馬ダノンプラチナ)

 ダノンシャークが勝利した2年後の2015年の富士ステークスは、同じダノックス所有のG1馬、ダノンプラチナが制した。

 ダノンプラチナは、2歳時に朝日杯フューチュリティステークスを制覇。一躍クラシックの有力候補となったが、1冠目の皐月賞で11着に敗れ、春は全休。仕切り直した秋の始動戦に選んだのが、古馬相手の富士ステークスであった。

 1番人気は、後の安田記念覇者サトノアラジン。4歳のこの時点では未だ重賞未勝利ながら、素質が評価されての人気であった。2番人気は5歳馬のフルーキー。こちらも重賞未勝利ながら、重賞で常に大崩れなく走っている安定感が評価されていた。

 3番人気も後の安田記念馬となるロゴタイプ。5歳のこの時点でもG1タイトルを2つ持っており、実績は一番であった。そしてダノンプラチナは、この3頭に次ぐ4番人気で発走を迎えた。

 レースはカレンブラックヒルがハナを切り、前半600mの通過は35秒1と平均やや遅めの入り。2番手にロゴタイプがつけ、その直後の外にフルーキーという隊列になる。

 サトノアラジンは後方集団からとなり、スタートで行き脚のつかなかったダノンプラチナは、後方2番手あたりを追走となった。そしてそのまま4角を回り、最後の直線へ。

 逃げるカレンブラックヒルにロゴタイプが並びかけ、残り300m辺りで先頭に抜け出す。それをマークするように進めていたフルーキーが追うが、離れた外から併せ馬で伸びてきたのが、後方待機のサトノアラジンとダノンプラチナ。

 フルーキーを突き放したロゴタイプが粘り込みを図るが、残り100mを切った辺りで外の2頭が前に出る。その中でも、外からねじ伏せるようにダノンプラチナが前に出て勝利。クビ差の2着にサトノアラジンが入り、先に抜け出したロゴタイプが3着となった。

 初対戦で古馬を撃破したダノンプラチナだったが、その後は重賞勝利を積み重ねることはできなかった。それでも、後に安田記念を制す2頭を抑えて手に入れた富士ステークスのタイトルは、非常に価値のあるものとなった。

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