HOME » コラム » 5選 » ソングラインやエアジハードなどが魅せた!後のG1馬を多数輩出した出世レース【富士S名勝負5選】 » ページ 2
Danon Shark
第16回富士Sを制したときのダノンシャーク

②2013年(勝ち馬ダノンシャーク)

 エアジハードの勝利から15年が経った2013年。富士ステークスはすでに1600mでの開催となり、マイラーの秋の大目標、マイルチャンピオンシップに向けての前哨戦に位置づけられていた。

 この年のマイル戦線は絶対的王者が不在。その証拠に、春の安田記念を勝ったのはスプリンターのロードカナロア。さらに2着も、マイル初挑戦の中距離馬ショウナンマイティ。マイルを主戦場にしている馬たちからしたら、ショッキングな結果となった。

 そしてその安田記念で3着に入り、マイラーとしての意地を見せたのが、今回の主役ダノンシャークであった。単勝オッズは2.4倍の1番人気。次の大目標に向けて、取りこぼしはできない一戦であった。

 レースはシャイニープリンスが押し出されるように前に行くが、その外からガルボがハナを切る。さらにその外にリアルインパクトが2番手につけ、ダノンシャークは、控えたシャイニープリンスらと並ぶように好位集団から競馬を進める。

 前半600mの通過は35秒8と落ち着いた入りを見せ、馬群は一団。そのまま最後の直線での瞬発力勝負となる。

 残り300mでリアルインパクトがガルボを捕えるも、その外に出したダノンシャークが残り200mを切ったところで先頭に立つ。後続が一団となって追いかけるも、ダノンシャークとの差は詰まらず、そのままゴール。

 2着に早め先頭のリアルインパクトが粘り込み、3着には馬群の中から最後に脚を使ったシャイニープリンスが入った。スローペースによって先行馬での決着。好位にいた馬たちに上がり33秒台の脚を使われては、後続は手も足も出なかった。

 勝ったダノンシャークは、続くマイルチャンピオンシップでも1番人気に支持されたが、3着に敗戦。しかし翌年、富士ステークス7着から挑んだマイルチャンピオンシップで、フィエロとのハナ差の大激戦を制して、悲願のG1初制覇を果たしたのである。

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