③2008年(勝ち馬ブルーコンコルド)
トーホウエンペラーの勝利に沸いた2002年から6年が経った2008年。南部杯史上初となる、3連覇を達成する馬が現れた。それがブルーコンコルドである。
ブルーコンコルドは、3歳秋まで芝路線で活躍していた。京王杯2歳ステークスで重賞勝利を挙げ、皐月賞にも挑戦したが、その後は芝での成績が頭打ちとなったことで、はじめてダートに挑戦した。その霜月ステークスを勝利したことで、ダート路線へと進むこととなる。
重賞初制覇は5歳のプロキオンステークスと時間はかかったが、その後すぐに、JBCスプリントでG1級初制覇。翌年の6歳シーズンは、1度目の南部杯制覇とJBCマイル、さらには2000mの東京大賞典まで制した。
7歳シーズンはかしわ記念と2度目の南部杯を勝利し、積み重ねたG1級タイトルは6つ。2008年の南部杯は、8歳にして7つ目のG1級タイトルを目指してのレースとなった。
ブルーコンコルドは単勝2番人気。1番人気は同年の根岸ステークス覇者ワイルドワンダーであった。ワイルドワンダーが単勝1.8倍、ブルーコンコルドが単勝2.2倍という、戦前からの一騎打ちムード。前年の南部杯と非常に似たオッズで、前年はワイルドワンダーが単勝1.9倍、ブルーコンコルドが単勝2.1倍で、ブルーコンコルドの勝利であった。
レースは、コンゴウリキシオーがハナを切り、ブルーコンコルドは好位の外めからレースを進めた。それをぴったりマークするように、ワイルドワンダーが追走する形となった。3角ではコンゴウリキシオーが下がってしまい、キングスゾーンが先頭に立つが、その外からメイショウバトラーが馬なりで交わして最後の直線へ。
先頭は抜け出したメイショウバトラーで、それを追うブルーコンコルドとワイルドワンダー。完全に3頭による争いに絞られたが、そこから末脚が光ったのはブルーコンコルドであった。残り100mを切った辺りでメイショウバトラーを捕えると、最後は2馬身の差をつけての快勝。3着にワイルドワンダーとなった。
勝ったブルーコンコルドは、史上初となる南部杯3連覇を達成した。さらにダートでのG1級7勝は、アドマイヤドンを抜いて当時の最多記録であった。翌年の南部杯では5着となり、4連覇達成はならなかったが、9歳まで現役を続けてダート界を盛り上げてくれた姿は印象に残っている。