⑨2018年(勝ち馬アーモンドアイ)
7センチ差の名勝負から6年が経った2018年。史上5頭目の三冠牝馬が誕生する。その名はアーモンドアイ。三冠どころか史上最多となるG1を9勝する稀代の名牝なのだが、牝馬三冠第1戦の桜花賞では2番人気。1番人気はある馬に譲っていた。
その1番人気はデビューから4戦4勝、G1阪神ジュベナイルフィリーズも制していた、ラッキーライラックであった。ある意味、王道路線で結果を残してきたラッキーライラックに対して、シンザン記念からの直行という、異端ともいえるローテで臨んできたアーモンドアイ。
レース内容も正攻法で抜け出したラッキーライラックに対して、直線だけで15頭ごぼう抜きを見せたアーモンドアイというコントラスト。軍配はアーモンドアイに上がった。
続くオークスでは一転して、ラッキーライラックをぴったりとマークする形を取ったアーモンドアイが勝利。好位からの競馬ができたことで、京都内回りでの取りこぼしの可能性も少なくなり、秋華賞は1.3倍という断然人気に支持されていた。
レースはミッキーチャームがハナを切り、1000m通過59秒6というほぼ平均のペースを刻む。ラッキーライラックは好位の後ろ、アーモンドアイは桜花賞ほどではないものの、オークスの時よりは後ろとなる、中団後方寄りのポジションとなった。
その隊列のままレースは進み、4角を回って最後の直線へ。直線でもミッキーチャームの脚いろは衰えず、残り150mで後続を2馬身突き放して先頭。しかし、ミッキーチャームの抵抗もそこまで。ライバルのラッキーライラックが伸びあぐねる中、アーモンドアイが外から一気に抜け出して勝利。史上5頭目の牝馬三冠に輝いた。
1馬身半差の2着にミッキーチャーム。後方から追い込んだカンタービレが3着に入り、ラッキーライラックは9着に敗れた。
アーモンドアイのその後の活躍は言うまでもないが、最大のライバルであるラッキーライラックも、その後G1タイトルを3つ獲得。現役時代は秋華賞以降の直接対決はなかったが、産駒による対決に期待が集まっている。