HOME » コラム » 5選 » オジュウチョウサンやメイショウダッサイなど! 冬の障害王への重要な一戦【東京ハイジャンプ名勝負5選】 » ページ 4
Shingun Michael
第21回東京ハイジャンプを制したときのシングンマイケル(写真奥)

④2019年(勝ち馬シングンマイケル)

 圧倒的な力を誇示したオジュウチョウサンに、ライバルと呼べるような馬はいなかった。
しかし、絶対王者オジュウに挑戦した馬は数多くおり、2019年の勝ち馬シングンマイケルもその1頭であった。

 この年の1番人気は、障害転向後、無傷の3連勝でここに出走してきたトラスト。平地時代に地方競馬所属ながら札幌2歳ステークスを制しており、平地・障害の両重賞制覇がかかっていた。2番人気はメイショウダッサイ。こちらも3連勝中と勢いがあり、前走の小倉サマージャンプで重賞を勝っての参戦であった。

 そして3番人気がシングンマイケル。こちらも前走の東京ジャンプステークスで重賞初制覇。前走は別のお手馬に騎乗していた、金子騎手に手綱が戻っての一戦であった。
単勝オッズ10倍以下はこの3頭のみで、戦前の人気面からも、三つ巴の様相を呈していた。

 レースはトラストがハナを切り、メイショウダッサイとシングンマイケルがその直後につける展開。その後、シングンマイケルが早めにトラストへプレッシャーをかけていき、2頭並んで最後の直線コースへ向かう。

 最終障害まで並んで飛越するも、残り300mを切ってトラストを競り落としたシングンマイケルが単独先頭に立つ。そこに外からメイショウダッサイがジリジリと差を詰めたが、それをクビ差振り切ったシングンマイケルが勝利。メイショウダッサイから3馬身半差の3着にトラストとなった。

 重賞連勝を飾ったシングンマイケルは、次走のJ・G1中山大障害も勝利。そして翌年の阪神スプリングジャンプで、満を持してオジュウチョウサンとの初対決に挑むも、9馬身の差をつけられ敗れた。

 そして直後の中山グランドジャンプ。雨の降りしきる中で再びオジュウ撃破に挑むも、不良馬場に脚を取られたか最終障害で落馬。そのまま起き上がることができず、夢半ばで息を引き取った。

 くしくもデビュー時からシングンマイケルを管理し、2ヶ月前に他界した高市調教師の後を追うように、天国へと旅立っていったのであった。

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