HOME » コラム » 5選 » オジュウチョウサンやメイショウダッサイなど! 冬の障害王への重要な一戦【東京ハイジャンプ名勝負5選】 » ページ 3
Oju Chosan
第18回東京ハイジャンプを制したときのオジュウチョウサン

③2017年(勝ち馬オジュウチョウサン)

 スプリングゲントの勝利からちょうど10年が経った2016年。ここから障害界は、ある1頭の名馬の時代を迎える。

 その名はオジュウチョウサン。中山グランドジャンプは5連覇を含む6勝、中山大障害は3勝。ふたつ合わせてJ・G1を9勝は、もちろん歴代1位の記録。
ほかにも障害重賞13連勝や、9億円以上稼いだ障害獲得賞金も、歴代1位。そんな障害界の記録を次々と塗り替えていったオジュウチョウサン。その障害重賞13連勝中の7勝目となったのが、2017年の東京ハイジャンプだった。

 既に10月開催に移っていたこのレースは、2016年も中山大障害の前哨戦として勝利。この年も同じく、中山大障害へのステップレースとして出走していた。もちろん1番人気に推されており、単勝オッズは1.4倍。他馬より2キロ重い62キロを背負っているにも関わらず、落馬の可能性が平地より高い障害レースとしては驚異的な単勝支持率を集めていた。

 レースはタマモプラネットの大逃げ展開でスタートし、道中は後続を20馬身ほど引き離す。ポツンと離れた2番手にグッドスカイ。そこからまた15馬身ほど離れた3番手集団の先頭にオジュウチョウサンという形でレースは進む。3〜4角の中間辺りで、オジュウチョウサンがグッドスカイを捕えて2番手に上がるも、先頭を走るタマモプラネットとはまだ15馬身ほどの差があり、そのまま4角を回る。

 しかし、大金星かと思われたのはここまで。直線に入ってからの脚いろの差は歴然で、残り250mで先頭に立ったオジュウチョウサンはグングンと後続を突き放し、連れて2番手に上がったグッドスカイに2秒0の差をつける大差勝ち。

 その後、オジュウチョウサンは平地戦で連勝を果たし、ファン投票で有馬記念にも出走。さらに現役引退後は、障害馬として異例の種牡馬入りも果たした。障害馬の枠を飛び超えた、まさしくレジェンドホースであった。

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