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Spring Ghent
第8回東京ハイジャンプを制したときのスプリングゲント(写真左)

②2006年(勝ち馬スプリングゲント)

 ゴーカイの勝利から6年。2006年の東京ハイジャンプ勝ち馬は、障害界に現れたニュースター、スプリングゲントであった。

 この時の障害界には、前年の中山大障害を史上2頭目となる3歳で勝利した、テイエムドラゴンというスターホースがいた。しかしそのテイエムドラゴンをもってしても、中山グランドジャンプではオーストラリア最強馬カラジに敗戦。さらにテイエムドラゴンはレース後に骨折が発覚し、長期離脱を余儀なくされた。

 そんなニュースターの出現を待ちわびていたところに現れたのが、スプリングゲントであった。障害転向は6歳と、テイエムドラゴンに比べれば遅かったが、転向後は破竹の4連勝で、前走のJ・G3京都ジャンプステークスを制覇。この東京ハイジャンプでも、単勝1.8倍の1番人気に支持されていた。

 レースは、イブキリムジンオーがハナを切り、スプリングゲントは好位の外をキープ。障害レースにしては、一団の馬群でレースが進む。その後、途中からブルーアルパインが先頭を走る形となるが、スプリングゲントは変わらず好位の外で虎視眈々と構えていた。

 その隊列のまま4角を回り、最後の直線へ。ブルーアルパインが先頭をキープしていたが、最終障害の飛越で外からスプリングゲントが先頭に立つ。そこに、道中最後方から徐々にポジションを上げていた、2番人気テレジェニックが内から迫る。しかし、スプリングゲントはテレジェニックに並ばせることなく、2馬身半の差をつけて勝利。テレジェニックから2馬身差の3着には、マイネルオーパーが入った。

 障害入りからの連勝を5に伸ばしたスプリングゲントは、次走のJ・G2京都ハイジャンプも8馬身差で圧勝。しかしその後、屈腱炎で2年近くの戦線離脱を余儀なくされる。それでも長期休養から復帰すると、2006年の中山グランドジャンプを勝利。9歳にして悲願のJ・G1制覇を果たした。しかし、その直後に再び屈腱炎を発症し、2年8ヶ月の休養。それでもまたカムバックし、なんと13歳まで現役生活を続けた。

 まさに不死鳥のごとく何度でも蘇る姿が印象的ではあったが、怪我さえなければどれだけ活躍できたのかとも思わせる、高いポテンシャルの持ち主であった。

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