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【障害戦の予想法】元トラックマン直伝!“障害未勝利”を攻略する3つのポイント

text by 中西友馬
2017年中山グランドジャンプを制した時のオジュウチョウサン
2017年中山グランドジャンプを制した時のオジュウチョウサン

平地とは異なる魅力が詰まった障害レース。かつて障害試験の採時も担当した筆者が、“史上最強の障害馬”オジュウチョウサンの強さを紐解きながら、「障害未勝利戦」を予想するための具体的なポイント3つに絞り、分かりやすく解説する。[1/8ページ]

障害戦を見るポイント

 競馬の楽しみ方は人それぞれだ。1年の中で有馬記念だけ買う人もいれば、G1レースのみ買う人、全レース参加する人、馬券は買わずに馬を応援する人など、実にさまざま。その中でも、ほとんどのレースに参加する人でさえ、あえて見送って“昼休み”にすることがあるのが障害レースだ。

 今回はそんな方々に向けて、以前は美浦トレセンで障害試験の採時もしていた私が、障害戦を予想する上で個人的に重視しているポイントを紹介していく。

 そもそも障害戦とは、中央競馬開催日にどこか1つの競馬場で1日1〜2鞍行われるレースのこと。平地のレースと違って、出走各馬が馬場に設置された障害を飛び越えながらゴールを目指すレースである。騎手に関しても、稀に二刀流を行っているジョッキーもいるが、基本的には障害専門の騎手が騎乗している。

 そして、障害戦に出走している馬は全て、元々は平地を経験している馬たち。平地で頭打ちになった馬が再起を目指して障害転向するイメージを持たれているだろうし、実際にほとんどの馬はそういう意図であるから間違いではない。しかし時には、近況が頭打ちであっても、過去に平地で重賞勝ちやG1勝ちを収めている馬が障害転向をしてくる場合もある。

 そして、平地の脚があるからといって必ず活躍できるわけではないのが、障害戦の面白いところ。実際、障害馬の中で最も有名だと言っても過言ではないオジュウチョウサンは、障害転向前の平地時代は未勝利戦で2度走って11着と8着。そんな馬がJ・G1で9勝を挙げる活躍をするのだから、障害戦は本当に奥が深い。

史上最強ハードラー・オジュウチョウサンの凄さ

 オジュウチョウサンが障害戦で活躍できた背景というのは、色々な要素が噛み合ったことによるものだろうが、もちろん障害飛越の綺麗さというのは最初に挙げられるだろう。晩年は着地で少しバランスを崩す場面も見られたが、全盛期にはスピードの落とさない飛越が非常に印象的であった。

 あとは、父ステイゴールド譲りの気性の荒さも大きな要素であったように思う。当然のことながら、障害を飛び越えることに怖さを感じる馬は数多くいる。そんな中でオジュウチョウサンは、躊躇することなく障害に向かっていく姿が印象的だった。これはやはり弱気な馬では難しいことであり、負けん気の強さは大きなセールスポイントであった。

 さらに、同じく父譲りと考えられる豊富なスタミナも見逃せない。J・G1ともなると4000m超の距離を走る障害戦にとって、やはりスタミナは必要不可欠。この点は、同じ障害戦であっても主に3000m以下で争われる障害未勝利戦とは大きな違いがある。

 最後に、父とは異なる特徴として、500キロ超の恵まれた馬格が挙げられる。障害戦は平地のレースと比べて、5キロほど重い斤量を背負ってレースをしている。そこで斤量負けしない雄大な馬体というのは、大きなアドバンテージとなっていた。

 これらの要素は、1つ2つであれば兼ね備えている馬はいくらでもおり、オジュウチョウサンを上回る要素を持つ馬もたくさんいるだろう。しかし、4つ全てでオジュウチョウサンの水準をマークする馬は極めて稀である。その総合力の高さこそが、オジュウチョウサンを唯一無二の存在へと押し上げ、障害戦での圧倒的な実績につながったと考えられる。

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