【Nextヨカヨカは誰だ!】小倉芝1200m至上主義!?“特殊すぎる”九州産馬の世界の魅力を解説

コントレイル、デアリングタクト、ソダシといったスーパースターが活躍した2020年の競馬界。スター揃いの当時の中央競馬でも、「九州産の星」としてひときわ異質な注目を集めた馬がヨカヨカであった。
同世代には同じく九州産馬のルクシオン、一つ上の世代には2023年の中山グランドJを制するイロゴトシなど、多くの「九州産馬」が活躍し今現在も注目を集め続けている。
では、ヨカヨカ、イロゴトシら「九州産馬」はなぜここまで注目されたのか?本記事では、「九州産馬」を取り巻く特殊な事情を紹介する。[1/3ページ]
「北海道産」の馬よりも厳しい環境
マスカレードボール、フォーエバーヤング、現在の競馬界を盛り上げるスター競走馬の99%は北海道で生産された馬だ。近年では、ノーザンファーム・社台ファーム生産馬が多くのGⅠを勝利してることから、中小牧場の多い日高地方の競走馬が活躍した際にも「日高の星」と呼ばれ、注目されることもある。
しかしながら、九州の馬産は日高地方よりもさらに厳しい環境にある。最も大きい問題は地理的要因だ。北海道の牧場であれば、どんな小さな牧場でも種付け料さえ支払うことができれば、イクイノックスやキズナ、エピファネイアといったエリート種牡馬の子を生産することが出来る。また、低価格帯の種牡馬でも、質の良い選択肢は数多く存在する。
しかしながら、九州では地理的に離れているが故に、北海道の種牡馬を種付けすることは容易ではない。九州の生産牧場の繁殖牝馬が北海道の種牡馬を種付けする場合、2000㎞以上の距離の輸送、長期間の北海道滞在など、金銭的にも、繁殖牝馬のコンディションでも多くのハードルが存在する。
そのため、九州で繋養されている繁殖牝馬の多くは、九州の種牡馬と配合されることとなる。
現在九州で供用されている主な種牡馬
・ホウオウアマゾン
・ワンアンドオンリー
・アレスバローズ
・レッドベルジュール
・ネロ
・ケープブランコ
これらの種牡馬は九州産限定重賞では強く存在感を示すことも多く、良い種牡馬ではあるものの、北海道と比較するとやはり選択肢が限られてしまう。実際、日本では飽和しつつあるサンデーサイレンス系やキングカメハメハ系についても、九州に本格的に導入され始めたのはここ数年のことだ。
また、アレスバローズやネロなど、短距離を主戦場とした種牡馬が多い。この背景には、九州ならではの「独自のレース体系」が存在するのだ。
九州産馬のレース体系
前述したようなハンデを抱えていることもあり、九州産馬は「九州産馬限定戦」を中心とした独自のレース体系に挑戦する馬が多い。九州産馬限定戦のビッグレースは以下の通り。
・ひまわり賞(2歳OP)
・たんぽぽ賞(佐賀競馬 3歳限定重賞)
・霧島賞(佐賀競馬 古馬混合重賞)
・九州産グランプリ(佐賀競馬 古馬混合重賞)
九州産馬の多くはこれら4つの高額賞金レースを目標にすることが多い。特に、九州産2歳限定OPである「ひまわり賞」は夏の小倉開催を盛り上げる一大レースであり、「九州産馬のダービー」と言っても過言ではない。
同レース、そして事実上のトライアルレースである小倉の九州産限定新馬戦はいずれも小倉競馬場 芝1200mの条件で施行されるため、九州産馬の多くは「早熟・短距離」という2要素が強く求められる。
ひまわり賞の過去の勝ち馬には、2005年アイビスSD勝ち馬テイエムチュラサン、2023年中山GJ勝ち馬イロゴトシ、2021年北九州記念勝ち馬ヨカヨカなどが存在し、中央競馬の重賞で“北海道産馬”とも互角以上に戦える馬を多く輩出している。


