
今年もまた、競馬ファンを悩ませる問いがある。
「2026年のダービーは、どの馬が勝つのか?」
そこで今回は、競馬チャンネルに関わるライター陣が、それぞれの思い描くストーリーを胸に、ダービー馬候補を指名した。当たるか外れるかではない。大事なのは、そのストーリーだ。それでは、ライターたちの予想を紹介していく。[6/6ページ]
⑥TOMの予想
◆修羅場でも怯まなかった精神力を持つ…
今年の3歳勢は、今のところ抜きん出た馬が見当たらない。昨年の2歳重賞は勝ち馬が目まぐるしく変わる結果となったように、クラシック戦線は混戦模様に映る。
その中で、のちのG1馬を多数輩出してきた出世レースとして名高い東スポ杯2歳S(G2)のレベルが高かった可能性を感じる。
2025年も、粒ぞろいのメンバーがそろった中で、優勝をさらったのはパントルナイーフだった。新馬戦で2着に敗れたものの、未勝利勝ち上がりからの2連勝で重賞初制覇となった。勝ち時計1分46秒0は、過去10年の中でも3位に相当。直線で中から末脚を伸ばし、外から迫ったゾロアストロを封じた勝ち方にも高い評価を与えたい。
ならばクラシックの最有力馬は、パントルナイーフか? いや、贔屓目の部分が大きいが、見立ては少し違う。一番見どころのあるレースをした馬が僅差3着に入ったライヒスアドラーである。昨夏からポテンシャルの高さに注目していた一頭だ。
スタート五分も、行きっぷりよく好位3、4番手のインに構えたライヒスアドラー。まずまずの位置につけたか、と思ったところで、道中はずっと、すぐ外に位置したローベルクランツにがっつりと被される形となった。勝負どころの最終コーナー手前、馬群が少しバラけかけたところで、鞍上の佐々木大輔騎手は進路を求め、少し外へと舵を切った。
ところが、やや手応えで劣る松山弘平騎手騎乗のローベルクランツは自身の進路を確保。こじ開けたい佐々木、そうはさせない松山の熾烈なせめぎ合いとなった。結果、佐々木&ライヒスアドラーはやむなく引き下がり、内に閉じ込められたまま7番手にまでポジションを下げて直線を迎えることとなった。
ここでも外への進路はなく、ライヒスアドラーはインに突っ込むしかなくなった。前を行くのが内にササり加減のラストスマイル。これをなんとかパスしたものの、こんどは逃げていたテルヒコウが目前に迫る。
ライヒスアドラーは、ここでも内ラチと挟まれんばかりの窮屈な体勢を余儀なくされた。そして最内から決死の競り合いを掻い潜ったところがゴールだった。
外を悠然と伸びてともに上がり3ハロン32秒7をマークした先着2頭に比べ、競馬にならなかったライヒスアドラーとの差は僅か0秒2。同馬の上がり3ハロンは32秒9で、進路取りが“もし”違っていたら…、と思わせる。しかもデビュー2戦目でのこの経験は大きい。
次走に予定されているのは、強敵が集うことが予想される弥生賞ディープインパクト記念(G2、中山・芝2000m)。
まだ2戦のキャリアながら、末脚の持続力に加え、修羅場でも怯まなかった精神力を併せもつライヒスアドラーなら好勝負は必至。その先には3歳馬最高峰の夢舞台、日本ダービー(G1、東京・芝2400m)で絶景を眺める光景が待っていることだろう。
ライヒスアドラー
生年月日:2023年3月25日
父:シスキン
母:クライリング
母の父:ハーツクライ
調教師:上原佑紀 (美浦)
馬主:G1レーシング
生産者:追分ファーム
【了】
【著者プロフィール:TOM(@XSBrVh7NLOcnKET)】
1977年、神奈川県出身。サッカー・フットサル、乗馬、旅行、音楽鑑賞が趣味。2012年から競馬関係の仕事に携わっている。
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