
競馬の主役は「馬」であるが、その背に跨る「騎手」も、レースを語るうえで欠かせない存在だ。騎手成績はリーディング順位に表れ、ランクの上がり下がりが一目でわかる。
本記事では、2024年に騎手リーディング30位以内、かつ2025年に500回以上騎乗した騎手の中から、勝利数の上昇率が高かった上位5名を紹介する。[5/5ページ]
第1位:吉村誠之助
■上昇率200%【33勝 → 66勝】
上昇率ランキングで堂々の1位に輝いたのは、吉村誠之助騎手だ。勝利数では同期の高杉吏麒騎手に及ばないものの、それに劣らぬ存在感を発揮し、2025年は飛躍の一年となった。
デビュー1年目に挙げた33勝の2倍となる66勝を記録し、重賞もランスオブカオスとカナルビーグルで2勝。さらにG1でもは、安田記念でガイアフォースを2着にエスコートするなど、上昇率トップにふさわしい活躍ぶりを示した。
同期の高杉騎手と同様、誠之助騎手も下級条件での安定感がある。勝率が10%を超えているクラスは条件戦ではないが、7%から9%と高めの数字だ。
さらに2勝クラスでは単勝回収値が145と、騎乗馬の平均人気が6.7であることを考えれば高い数字を記録していることからも、1つでも上の着順を狙う姿勢が強く感じられる。2026年の年明け1週目の3歳未勝利で、単勝7番人気のベルサンローランを勝利に導いたのも、そのスタンスの裏付けとも取れる。
積極的な競馬で好成績を残しているだけに、逃げ先行での好走率が非常に高い。先手を取った時のペース配分もかなりしっかりしており、11月30日の2勝クラスをサクソンジェンヌで逃げ切った時は、道中はペースを落として脚を溜め、後半で一気にペースを上げて勝ち切るという「技あり」の逃走劇を魅せた。
こうした騎乗ぶりは、兵庫競馬のトップジョッキーである父・吉村智洋騎手の血を確かに受け継いでいることを感じさせる。
2026年はリーディングTOP10に入り、そして同期の高杉騎手を上回る成績を残すことが目標になると思うが、ランスオブカオスやカナルビーグルといったG1戦線に顔を出すお手馬もいる以上、3年目にしてG1初制覇というのも決して夢物語ではないだろう。
もしかすると2026年が終わった時、前の年以上のステップアップを遂げた一番の騎手として、再び名前が挙がることになるかもしれない。
【了】
【著者プロフィール:小早川涼風】
祖父、父の影響で幼い頃から競馬に触れ、社会人後ライターに。地方、中央を問わない競馬漬けの日々を送る。初めて好きになった馬はサイレンススズカ。思い出の馬はファストフォース。
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