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Nakayama Festa
Getty Images 2010年凱旋門賞に出走した時のナカヤマフェスタ

③ナカヤマフェスタ(2010年2着)

 ディープインパクトが敗れてから4年の経った2010年の凱旋門賞。この年は史上初となる、複数頭の日本調教馬による挑戦が実現した。

 1頭目は皐月賞馬のヴィクトワールピサ。この馬は、これも日本調教馬では史上初となる、3歳馬での挑戦であった。

 2頭目はナカヤマフェスタ。こちらは4歳牡馬で、同年の宝塚記念で8番人気の伏兵ながらG1初制覇を果たした。ただG1タイトルはそのひとつだけで、これまで挑戦した馬と比較すると、実績面では少し見劣りする印象であった。

 この年の海外勢の注目馬には、凱旋門賞と同じロンシャンで行われた、パリ大賞典とニエル賞を連勝しているベーカバドや、前年の愛ダービー馬で、目下4連勝中で挑んできたフェームアンドグローリーなどが挙げられていた。そのため、発走前の日本調教馬2頭の注目度は、エルコンドルパサーやディープインパクトのときには及ばないものであった。

 レースは、プボワールアブソリューがハナを切り、ヴィクトワールピサとナカヤマフェスタはともに中団からの競馬となる。
その隊列のまま最後の直線へ向かうと、馬群の中にいたナカヤマフェスタが外へと出して前に並びかける。その後ろのヴィクトワールピサは少し伸びを欠き、代わって伸びてきたのが同年の英ダービー馬ワークフォース。ナカヤマフェスタの内に馬体を併せると、残り250mからは2頭が完全に馬群から抜け出してのマッチレースとなった。このマッチレースを制したのは、内のワークフォースであった。ナカヤマフェスタはアタマ差及ばずの2着、ヴィクトワールピサは7着に敗れた。

 11年前と同じ、蛯名騎手×二ノ宮師で挑んだチームエルコンの挑戦は、惜しくも再びの2着という結果となった。しかし、戦前の低評価に反発するように世界の頂にアタマ差まで迫ったナカヤマフェスタの走りは、ファンの胸を打つものがあった。

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