
気性難は競走馬にとって大きな課題のひとつである。一般的には馬具の工夫など様々な方法で対応される。一方、牡馬の場合は去勢する選択肢もある。しかし、能力の高い馬は、種牡馬への道を考慮し、別の方法が取られることが多い。今回は牡馬・牝馬を問わず、気性難でありながら活躍した馬の中から、特に印象的な5頭を紹介する。[2/5ページ]
②エイシンヒカリ(2014年アイルランドトロフィー)
次に紹介するのは、エイシンヒカリ。日本国内でのG1勝利こそないが、海外では香港カップとイスパーン賞を勝利し、海外G1・2勝。
特にイスパーン賞は、2番手で我慢して抜け出す競馬で10馬身差の圧勝。129ポンドのレーティングを獲得し、日本馬としてはジャスタウェイ以来史上2頭目となる、世界ランク1位にも輝いた。
しかしそんなエイシンヒカリも、気性難で有名な馬。それが顕著に表れたのが、3歳時のアイルランドトロフィーであった。
3歳4月とデビューの遅かったエイシンヒカリは、既走馬相手の未勝利戦を5馬身差で圧勝すると、そこから3戦は逃げ切り勝ちでトントン拍子に出世。デビューから無傷の4連勝でオープン入りしたエイシンヒカリは、オープン初戦としてこのレースに出走していた。
初騎乗となる横山典弘騎手を背に、レース序盤から後続を引き離す逃げを打ち、道中は約15馬身ほどの差をつけて1人旅。そのまま4角を回り、直線へ。しかし残り400m辺りから徐々に外へ斜行。
斜めに走っているぶん距離ロスがあるのは明らかで、真っ直ぐ走っている後続が一気に差を詰める。最後は外ラチ近くまで膨らみながらも、3馬身半の差をつけて逃げ切ってみせた。
勝つには勝ったが、能力の高さと同時に、ただの逃げ馬ではない破天荒ぶりが話題となったエイシンヒカリ。
イスパーン賞は、そんな3歳時のレースぶりからは想像のつかない優等生な競馬で圧勝。遠征先でも落ち着いてレースに臨めており、精神的にも成長した姿を見せた一戦であった。


