
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は12月27、28日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。[3/3ページ]
12月28日の2歳戦レビュー
◆クラウトロック
12月28日 新馬 中山ダ1800m 1着
評価:★★★
騎手:プーシャン
厩舎:美浦・加藤征弘
父:ナダル
母:スミレ
母の父:ダイワメジャー
《短評》
外枠から出していって外の2番手へ。3~4角の勝負所で逃げ馬が早々に失速し、馬なりのまま先頭に立った。直線はノーステッキで脚を伸ばし、後続を一気に突き放して快勝。上がりはもちろん最速で、2着に8馬身差をつけた。
1:55.7というタイムは特筆するほどでもないが、同日の2歳未勝利戦よりは1.2秒速かった。急坂のあるラスト1Fを12.2秒でまとめた点も含め、一定以上の評価は可能だ。
◆ストームゲイル
12月28日 未勝利 阪神芝1800m 1着
評価:★★★★
騎手:吉村誠之助
厩舎:栗東・四位洋文
父:タリスマニック
母:ジャポニウム
母の父:ダノンシャンティ
《短評》
最内枠から今日は果敢に逃げの手。少し勢いがつきすぎた感じで1000m通過58.9秒のハイペースになったが、先に鈍ったのはむしろ他の先行勢。直線半ばで一度完全に抜け出し、最後はランスオブヒーローの強襲に遭ったが、カラくもハナ差押し切った。
勝ち時計1:46.2は阪神芝1800mの2歳戦史上5位タイとまずまずの記録。トラックバイアスが外有利に振れつつある中でのハイペース逃げ切りには数字以上の価値がある。今後に期待できる勝ち方だった。
【了】
(文●鈴木ユウヤ)
<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xなどで発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。
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