
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は12月27、28日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。[2/3ページ]
12月27、28日の2歳戦レビュー評価一覧
◆トリグラフヒル
12月27日 未勝利 阪神ダ1800m 1着
評価:★★★★★
騎手:C.デムーロ
厩舎:栗東・大久保龍志
父:ナダル
母:トリプライト
母の父:ワイルドラッシュ
《短評》
好スタートとは行かなかったが、促して外の3番手から。道中は引っかかる素振りもありながら手応え十分に4角先頭、あとは後続をグングン突き放して10馬身差で圧勝した。
勝ち時計1:53.3はハイペースだった同日古馬3勝クラスと0.5秒差に迫るもの。それをこちらはラスト12.7-12.1の加速ラップでマークした。いい内容だった。近親にアロンダイトやクリソライト、クリソベリルらがいる良血馬。世代の重賞で活躍できるだろう。
◆ショウナンハヤナミ
12月27日 新馬 阪神芝2000m 1着
評価:★★★★★
騎手:吉村誠之助
厩舎:栗東・渡辺薫彦
父:レイデオロ
母:ショウナンバーチ
母の父:ディープインパクト
《短評》
スタートはあまり速くなかったが、両隣がよりゆっくり出たことにより先行策がとれた。道中は好位の外目を追走し、3角あたりで早くも鞍上の手が動き始めたが、ジワジワと伸び続けて抜け出した。2馬身差の快勝だった。
前半1000m64.8秒のスローペースではあるが、後半5F57.8秒のレースラップは強烈。阪神芝2000mの2歳戦でこの数字はディープインパクト新馬と並んで史上最速にあたる。レイデオロ産駒の遅生まれ馬で、キレというよりロングスパートが向きそうなタイプ。来年の菊花賞候補だ。
◆アメリカンコール
12月27日 新馬 阪神ダ1800m 1着
評価:★★★★
騎手:C.デムーロ
厩舎:栗東・武幸四郎
父:American Pharoah
母:イヴニングコール
母の父:Tapit
《短評》
ゲートはアオって出遅れたが、そこから諦めずに主張。初角までに2番手を確保した。4角で逃げ馬をパスして先頭に立ち、直線は2着馬との完全なるマッチレース。内から差し返すように勝利した。3着以下には10馬身の差がついていた。
勝ち時計1:54.0だと前記のトリグラフヒルには0.7秒見劣るが、新馬戦としては十分な水準。父アメリカンファラオ、母父タピットの血統から、安定感のある走りは望めないが、能力自体はなかなかのものがありそうだ。



