
近年の物価高騰の波は競馬界にも押し寄せてきており、セレクトセールでは5億円オーバーの馬もチラホラ。ひと昔前では高額馬であった1億円オーバーの馬は、セレクトセールでは今や珍しくはない。
今回は、セリで比較的低価格ながらも活躍した馬に注目。1000万円前後で購買されながらも、GⅠ制覇を果たした5頭を紹介する。[4/5ページ]
※以下の購買価格は、税抜き価格で表記する。
④ジャスタウェイ
購買価格:1200万円
獲得賞金:9億940万9000円
次に紹介するのは、ジャスタウェイ。その父ハーツクライの一口馬主であった大和屋オーナーが、ハーツクライの仔を所有したいとセレクトセールで落札したのがこの馬。
最低落札価格1000万円から入札したが声はほとんど上がらず、1200万円で落札。億超えが多数発生するセレクトセールとしてはかなり安価な落札額となったが、その理由としては、スーパークリークと同じく脚が曲がっている外向が挙げられていた。
しかし、新馬戦の5馬身差圧勝で大和屋オーナーに初勝利をプレゼントすると、3歳を迎えたアーリントンCでは重賞初制覇。落札額を考えると、3歳時からかなりの活躍を見せていた。
ただしクラシックに関しては、唯一出走したダービーでディープブリランテの11着。世代の中でもトップクラスとはいえない馬であった。
古馬になってからも、重賞2着で賞金加算を繰り返すものの、いまだ重賞は1勝のまま。そんなジャスタウェイの転機となったのは、4歳秋に出走した天皇賞(秋)であった。
同世代の3冠牝馬ジェンティルドンナが人気を集める中、中団から末脚一閃。女王を4馬身後方に置き去りとする走りを見せ、見事にG1初制覇を飾った。
さらには翌年の中山記念を3馬身差で快勝し、初の海外遠征にも挑戦。そのドバイデューティーフリーでは、従来の記録を2秒以上更新するレコードタイムで圧勝。2着馬を6馬身1/4、さらにその後ろは8馬身ほど突き離す圧倒的なパフォーマンスで、世界の度肝を抜いた。
このレースにより、130ポンドというレーティングを獲得。史上初めて、日本調教馬が世界ランキング1位に輝いた瞬間であった。
凱旋帰国となった雨中の安田記念では、グランプリボスとの叩き合いを制して4連勝。重賞で勝ち切れなかったことが嘘のように、一気に世界一まで駆け上がってみせた。



