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Danon Legend
第49回東京盃を制したときのダノンレジェンド

③2015年(勝ち馬ダノンレジェンド)

 ラブミーチャンの勝利から3年が経った、2015年の東京盃。この年も注目は、JRA勢の3頭であった。

 1番人気は、5歳牡馬のダノンレジェンド。中距離戦を使われていた時期もあり、条件戦突破に少し時間を要したが、4歳の年末にカペラSで重賞初制覇を果たすと、5歳シーズンは交流重賞のみを使って4戦3勝。明らかに本格化を迎えており、充実の秋初戦であった。

 2番人気は、4歳牝馬のコーリンベリー。こちらは2走前のかきつばた記念で重賞初制覇。さらに続くプロキオンSでも2着に好走していた。ただ、OPクラスに上がってからは千四がメインという印象で、千二への出走は1年半以上ぶりという点が懸念材料であった。

 3番人気は、4歳牡馬のシゲルカガ。こちらは主に芝の短距離を使われていた馬だが、2歳時以来のダート挑戦となった同年の千葉Sで勝利。続く東京スプリントで2着とすると、北海道SCでは、ダノンレジェンドを3着に破って重賞初制覇。徹底先行タイプであるため、展開の鍵も握っていた。

 この3頭までが単勝10倍以下に推され、発走を迎えた。

 レースは、ゲートが決して速かったわけではなかったが、スピードの違いでシゲルカガがハナを切る。さらにこちらも発馬で若干後手を踏んだダノンレジェンドが、巻き返して2番手を確保。コーリンベリーはその2頭より出脚がつかず、序盤は中団あたりからの競馬となる。軽快に飛ばすシゲルカガの刻むペースは、脚抜きの良い稍重にしては速くなく、平均程度。それに乗じて、コーリンベリーも3角では外から3番手まで浮上。人気上位3頭が前を固める形で4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、逃げるシゲルカガに手ごたえよく並びかけるダノンレジェンド。残り300mあたりで先頭へと抜け出すと、一気に突き離す。2番手争いは、コーリンベリーが連れて浮上しようとするも、交わされてからもしぶといシゲルカガが内で粘りを見せる。その2頭による2着争いかと思われたが、それらをまとめて交わしたのは後方に待機していたドリームバレンチノ。2番手まで浮上するも、前との差はなかなか詰まらない。最後は2馬身の差をつけて快勝。さらに3馬身離れた3着には、コーリンベリーが入った。

 勝ったダノンレジェンドは、重賞5勝目。勢いそのままに断然人気のJBCスプリントで初のG1制覇に挑んだが、コーリンベリーにリベンジを許して2着に敗れた。

 そして迎えた6歳シーズン。5歳シーズンと全く同じローテーションを組んで出走すると、重賞を3勝上積み。東京盃ではドリームバレンチノにリベンジを許すものの、引退レースとなったJBCスプリントを勝利。悲願のG1級初制覇を果たし、有終の美を飾った。

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