②2012年(勝ち馬ラブミーチャン)
リミットレスビッドが連覇を達成してから5年が経った、2012年の東京盃。この年も上位人気はJRA勢であった。
1番人気は、6歳馬のセイクリムズン。重賞7勝を誇る実績馬で、同年春には重賞4連勝。4ヶ月ぶりの実戦に加え、出走馬唯一の57キロを背負っていても、大きな支持を集めていた。東京盃に関しては、前年も1番人気に推されながら4着に敗れており、そのリベンジの意味合いもあった。
2番人気は、5歳馬のタイセイレジェンド。こちらは直前のクラスターCで重賞初制覇。さらにそのレースは、6馬身差の圧勝劇であった。実績面はセイクリムズンに見劣るが、勢いではヒケを取らないものがあった。
3番人気は、4歳馬のテイクアベット。この馬もタイセイレジェンド同様に、前走のサマーチャンピオンで重賞初制覇。また、こちらも4馬身差の快勝であった点が、評価を高めていた。
この3頭までが単勝10倍を切る人気に推され、発走を迎えた。
レースは、好スタートを決めたラブミーチャンを制して、ジーエスライカーがハナを切る。そこにギオンゴールドが続き、ラブミーチャンは3番手に控える。セイクリムズンとタイセイレジェンドの人気2頭はその直後につけ、ダッシュのつかなかったテイクアベットは、中団後方寄りから進めることとなる。この距離らしく活気のある流れでレースは進み、その隊列のまま4角を回って最後の直線へと向かう。
直線に入ってもジーエスライカーが粘っていたが、ギオンゴールドを交わして2番手へと浮上したラブミーチャンが外から差を詰めてくる。その後ろからタイセイレジェンドも連れるように伸びてきて、セイクリムズンもタイセイレジェンドの内に入れて前を追う。残り200mでジーエスライカーを捕らえたラブミーチャンは、追いすがる人気2頭に差を詰めさせず、1馬身半の差をつけて勝利。2着にはタイセイレジェンドが入り、クビ差の3着がセイクリムズンとなった。
勝ったラブミーチャンは、笠松競馬所属の5歳牝馬。交流重賞は、2歳時の兵庫ジュニアGPと全日本2歳優駿に続いて3勝目となった。前年の東京盃ではスーニの2着に敗れており、見事に前年のリベンジを果たす形となった。
また、同年のかきつばた記念ではセイクリムズンに、サマーチャンピオンではテイクアベットに敗れており、その点においてのリベンジも同時に果たす勝利であった。
ラブミーチャンはその後、現役引退までに交流重賞のタイトルを2つ上積み。交流重賞で5勝を挙げた、笠松のアイドルホースであった。