
競馬において単勝オッズが1倍台というのは、ファンからの絶対的な信頼感の象徴ともいえる。そんなオッズをG1の舞台で示した馬は多数いるが、その中でもケタ違いな単勝支持率を集めた馬となると相当な名馬揃いである。
今回は、G1レースで1.1倍の支持を集め、単勝支持率が非常に高かった馬を5頭に絞り紹介していく。[4/5ページ]
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④マイネルグロン
2024年中山グランドジャンプ 72.6%
絶対王者オジュウチョウサンが引退し、混沌が続いていた2023年の障害界。そんな時に彗星の如く現れた新星がマイネルグロンであった。2021年の障害入りから3戦で未勝利を脱出するも、しばらくはオープンで勝ち切れてはいなかった。
だが、2023年の3月に阪神の障害オープンを勝つと覚醒する。瞬く間に4連勝で中山大障害までを駆け抜けると、翌2024年の始動戦である阪神スプリングジャンプも楽勝。障害界の新たな王者としてその名を轟かせ始めていた。
しかも、同馬の主戦はオジュウチョウサンの相棒だった石神深一騎手。阪神スプリングジャンプ前に彼が「心肺機能が本当にすごい。新しい障害界のスターだよ」と話していたこともあって、恐らく前王者にマイネルグロンの姿を重ね合わせた人も多かったのだろう。
そういう背景もあってか、春の大一番である中山グランドジャンプでは単勝オッズ1.1倍、支持率は72.6%と、障害レースでは史上最高の票数を集めるまでの人気を受けていた。
だがレースではやや出遅れて後方からの競馬となると、勝負所での反応も悪く進出も他馬の後れを取る形に。さらに最終障害ではややバランスも崩し、最後は止まるようにゴール坂を通過して6着に敗れた。
レース後には熱中症に加え右前脚深屈腱炎の診断が降り、休養を余儀なくされる形となった。
2025年10月現在、2度目の屈腱炎を発症したことにより再度の治療に励んでいるマイネルグロン。損傷率30%の屈腱炎とあってここからの復帰にはかなり時間を要しそうだが、もしターフに彼が戻ってくることがあれば、再び怪物の雄姿を見せて欲しい。



