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Makahiki
第56回京都大賞典を制したときのマカヒキ

⑤2021年(勝ち馬マカヒキ)

 サトノダイヤモンドの勝利から3年が経った、2014年の京都大賞典。この年は14頭立てながら単勝万馬券の馬が不在と、非常に人気が割れていたが、その中でも上位人気3頭は4歳勢が占めていた。

 1番人気はアリストテレス。3歳時の菊花賞で、格上挑戦ながらコントレイルの3冠阻止までクビ差に迫ったことで一躍注目を集めた同馬は、年明けのAJCCで重賞初制覇を果たす。しかし、阪神大賞典を断然の1番人気で敗れるとそこから3連敗。立て直しを図る、秋の始動戦であった。

 僅差の2番人気はヒートオンビート。この両馬は菊花賞前の2勝クラスでも戦っており、その時はアリストテレスが勝利して、菊花賞2着に繋げていた。ヒートオンビートは年が明けて4歳となってからOP入り。目黒記念で2着となるなど、重賞でも十分に通用するところを見せていた。

 そして3番人気はアイアンバローズ。こちらは3勝クラスを勝利したばかりの上がり馬。3歳時に挑戦した重賞では歯が立たなかったが、条件戦で力をつけて改めての重賞挑戦であった。

 この3頭を含めた上位人気5頭までが単勝10倍を切る混戦模様で、発走を迎えた。

 レースは、好ダッシュを決めたベレヌスがハナを切り、ダンビュライトが2番手へとつける。アリストテレスは好位から進め、その直後にヒートオンビートが追走。アイアンバローズは中団やや後ろの位置どりとなった。前半1000mの通過は61秒6と、ほぼ平均ペース。隊列に大きな動きのないまま3〜4角の中間あたりまで進み、前は逃げるベレヌスにダンビュライトとキセキが並びかける。その直後にアリストテレスとヒートオンビートが並ぶような形で4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、先頭争いからベレヌスが後退し、ダンビュライトとキセキの追い比べ。その争いから抜け出したキセキを目標に、外からアリストテレスが襲いかかる。必死に抵抗していたキセキだったが、残り100mでねじ伏せたアリストテレスが先頭。このまま押し切るかに思われたが、そのさらに外へと切り替えて追ってきたのがマカヒキ。ジリジリと差を詰め、ハナ差捕えたところがゴール。アリストテレスは惜しくも2着に敗れ、直線で先頭の場面があったキセキは、さらに半馬身差の3着となった。

 勝ったマカヒキは、サトノダイヤモンドと同世代の8歳馬。この勝利は3歳時のニエル賞以来、なんと約5年1ヶ月ぶりの勝利であった。さらに、国内での勝利となると3歳時のダービーまで遡る、超久々の美酒となった。

 ニエル賞の次走となった凱旋門賞から、G1とG2のみを走り続けて17連敗。この京都大賞典でも9番人気と伏兵扱いをされていたが、それを覆してダービー馬の底力を見せつける勝利は、多くのファンの感動を呼んだ。

 また、馬群でじっくりと脚をため、ロスのない立ち回りで測ったように差し切った、鞍上の藤岡康太騎手の完璧なエスコートも光るレースであった。

(文●中西友馬)

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