④2018年(勝ち馬サトノダイヤモンド)
タップダンスシチーの勝利から13年。2016年の京都大賞典を勝ったのは、引退までにG1・7勝を挙げたキタサンブラック。そしてその2年後となる2018年の京都大賞典を制したのは、そのキタサンブラックとライバル関係とされることの多い、1世代下のサトノダイヤモンドであった。
しかし、キタサンブラックとサトノダイヤモンドが同じレースに出走したのは、2回のみ。有馬記念では、サトノダイヤモンドがゴール前で差し切り勝利。天皇賞(春)では、コースレコードでキタサンブラックがリベンジを果たした。その後、サトノダイヤモンドは凱旋門賞挑戦に向けてフランスに渡ったため、対決は2回限りとなった。
フランスから帰国後、思うように結果の出なかったサトノダイヤモンドが、復活を期して秋の始動戦に選んだのが、この京都大賞典であった。
この年の京都大賞典は、戦前から2強対決と目されていた。1頭はサトノダイヤモンド、もう1頭はキタサンブラックと同世代のジャパンカップ覇者、シュヴァルグランであった。3着だった前年に続いて、秋の始動戦として京都大賞典を選択。僅差ながら、こちらが1番人気に推されていた。
レースはウインテンダネスがハナを切り、道中は後続を10馬身以上引き離す大逃げ。しかしペースはさほど速くなく1000mの通過は61秒2と、先頭のウインテンダネスでも平均程度。そこから10馬身以上離されている2番手以降は明らかなスローペースであった。シュヴァルグランは好位、サトノダイヤモンドは中団からレースを進め、3〜4角で上がっていくシュヴァルグランの外にぴったりつけるサトノダイヤモンドという隊列で、最後の直線に向かう。
直線では逃げるウインテンダネスを2頭で交わしにいくも、サトノダイヤモンドの脚いろが断然優勢。残り300mで先頭に立つと、直線で進路を切り替える不利がありながら伸びてきたレッドジェノヴァを半馬身振り切って勝利。3着には後方から追い上げたアルバートが入り、直線伸びを欠いたシュヴァルグランは4着に敗れた。
1年半以上遠ざかっていた勝利を挙げ、復活を印象づけたサトノダイヤモンド。その後、現役引退まで勝利を挙げることはできなかったが、現役引退後は種牡馬入り。ライバル対決第2章として、キタサンブラックやシュヴァルグランとしのぎを削っている。