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T.M. Opera O
第36回京都大賞典の勝ち馬テイエムオペラオー(写真右)、ステイゴールド(写真左)の斜行によりナリタトップロードの渡辺薫彦騎手が落馬した

②2001年(勝ち馬テイエムオペラオー)

 1強もしくは2強と言われた1993年から8年が経った、2001年の京都大賞典。この年は1強もしくは2強、あるいは3強と見ることもできるメンバー構成であった。

 1頭目の主役はテイエムオペラオー。世紀末覇王と呼ばれるように、前年の2000年は史上初となる秋古馬3冠を含めて8戦8勝。既にG1タイトルを7個持ち、京都大賞典連覇を目指す絶対的な存在であった。

 2頭目はナリタトップロード。テイエムオペラオーとは同じ5歳馬で、クラシックからしのぎを削るライバル関係。G1タイトルこそ菊花賞のひとつだけだが、同年の阪神大賞典では、59キロを背負いながら芝3000mを3分02秒5という世界レコードで走破。後続を8馬身ちぎり、ポテンシャルの高さを見せていた。

 3頭目はステイゴールド。前出2頭より2世代上の7歳馬で、G1タイトルこそないが、G1で2着4回、3着2回と惜しい競馬が続いていた。しかしテイエムオペラオーとの対戦成績は9戦9敗と、一度も先着したことはなかった。

 この年の京都大賞典は7頭立てという少頭数でのレースで、単勝1番人気はテイエムオペラオーで1.4倍。2番人気がナリタトップロードで2.4倍。3番人気がステイゴールドで10.8倍。4番人気は50倍以上となっていたので、やはり1強とも2強とも3強とも見ることができた。

 レースはスエヒロコマンダーの逃げで、その直後に人気3頭が固まる展開。少頭数らしく緩めの流れで進むと、最初に動いたのはナリタトップロード。残り800mから上昇を始め、直線入り口で先頭に立つ。内からステイゴールド、外からテイエムオペラオーが並びかけ、直線はびっしり並んでの追い比べ。

 残り200mで抜け出したのは、内のステイゴールド。最初に動いたナリタトップロードは苦しくなり、外からテイエムオペラオーが2番手に上がる。このまま決まるかに思えた残り100mを切った辺りで悲劇が起きる。

 ステイゴールドとナリタトップロードが接触し、ナリタトップロードの渡辺騎手が落馬。そのままステイゴールドが1位入線するも、ステイゴールドの斜行によってナリタトップロードが落馬したとされ、審議の結果、ステイゴールドは失格。繰り上がったテイエムオペラオーの勝利となった。

 幸い、ナリタトップロードも渡辺騎手も大事には至らず、同年のジャパンカップでは再び3頭による対決を見ることができた。

 最後は後味の悪い結果となってしまったレースだが、3頭による直線の叩き合いは、間違いなく名勝負のそれであった。

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