HOME » コラム » 5選 » 【C.デムーロ騎手の神騎乗GⅠ5選】短期免許とは思えない存在感!?“天才”にエスコートされた名馬たち » ページ 2
2022ドバイシーマCを制したシャフリヤール(Photo by Mahmoud Khaled/Getty Images)
2022ドバイシーマCを制したシャフリヤール(Photo by Mahmoud Khaled/Getty Images)

天皇賞(秋)の週から短期免許で騎乗している、C.デムーロ騎手。兄にM.デムーロ騎手をもつ、フランスを主戦場とする名騎手である。今秋のG1戦線でも有力馬に騎乗し結果を残している。今回は、C.デムーロ騎手のこれまでの活躍に注目。日本馬に騎乗してG1を制したレースの中から、印象に残ったものを5つ紹介する。[2/5ページ]

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②2022年ドバイシーマクラシック(騎乗馬シャフリヤール)

 次に紹介するのは、2022年のドバイシーマクラシック。このレースにC.デムーロ騎手は、初騎乗となる日本馬シャフリヤールとのコンビで参戦した。シャフリヤールは、前年のダービー馬。古馬との初対戦となったジャパンカップで3着となり、4歳シーズンの初戦としてドバイ遠征が敢行されていた。

 このレースには、シャフリヤール以外の日本馬が、オーソリティ、ステラヴェローチェ、グローリーヴェイズ、ユーバーレーベンと4頭参戦。それらに加え、前年のBCターフ勝ち馬であるユビアーが人気を集めて、発走を迎えた。

 レースは、日本のオーソリティがハナを切り、シャフリヤールもいつもより前の位置どりとなる好位を追走。これまでのレースで逃げる競馬をしてきていないオーソリティがハナを切っていることで、見た目にもゆったりとしたペースでレースは進み、シャフリヤールは好位のインでじっくりと脚を溜めたまま4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入るとすぐ、2番手の外を追走していたフォーザトップが若干外に膨らんだ瞬間を見逃さなかったC.デムーロ騎手。すぐさまオーソリティとの間に入り込んで2番手に浮上し、逃げるオーソリティを追う。さらにポイントとなったのは、シャフリヤールの進路をなぞるように伸びてきたパイルドライヴァーとの争い。

 名手デットーリがオーソリティとシャフリヤールの間を突こうとするも、それをすぐさまブロック。返す刀でオーソリティを捕らえて先頭へと立つと、後方待機から大外を伸びてきたユビアーの追撃をクビ差抑えて勝利。ユビアーから半馬身差の3着には、逃げたオーソリティが粘り込んだ。

 勝ったシャフリヤールは、ダービー以来のG1・2勝目を挙げ、海外G1初制覇。このレースを皮切りに、引退レースとなる昨年の有馬記念までC.デムーロ騎手はシャフリヤールに9度騎乗し、この馬の実質的な主戦ジョッキーとなっていった。

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