
年の瀬のグランプリ・有馬記念は、名馬がそろう一方で番狂わせも少なくない。
昨年も5番人気のレガレイラが勝利を収め、10番人気シャフリヤールと波乱の決着だった。
そこで今回の企画では、1990年以降の有馬記念で3着以内に入ったのべ105頭のうち、単勝オッズが高かった5頭をランキング形式で紹介していく。[2/5ページ]
第4位 2008年アドマイヤモナーク
2着(14番人気、90.2倍)
逃げたタップダンスシチーが穴をあけた6年後。2008年の有馬記念は、道中最後方を進んだ14番人気のアドマイヤモナークが波乱を起こした。
同年のグランプリで主役を務めたのは名牝ダイワスカーレットだった。3歳ながら前年は2着に粘り込んでいたが、その雪辱を果たすべく、マツリダゴッホやスクリーンヒーローを押し退けて1番人気に支持された。
レースはダイワスカーレットが好スタートを決めると、いつも通りのマイペースの逃げ。後続を引き付けてスローペースに落とし込んだが、競りかけていく馬はいなかった。
3コーナーを過ぎて好位に位置していたメイショウサムソンやアサクサキングスが動き始めると、4コーナー手前でマツリダゴッホやスクリーンヒーローが大外を回って先頭をうかがう勢い。
しかし、ダイワスカーレットと安藤勝己騎手(当時)は手綱を持ったままだった。余裕しゃくしゃくの手応えで4コーナーを迎えると、そのまま先頭でゴールした。
4コーナーで積極的にダイワスカーレットを捕まえにいった有力各馬が最後の直線で伸びあぐねる中、大外から末脚を伸ばしたのがアドマイヤモナークだ。
鞍上を務めたのは当時23歳の川田将雅騎手。14頭立ての14番人気の伏兵馬にテン乗りながら、直線にすべてを懸ける好騎乗で単勝オッズ90.2倍の超伏兵を2着に持ってきた。
すでに7歳を迎えていたアドマイヤモナークは、G1で2桁着順が続いていたことも、人気薄の理由の一つだろう。
ただし、その年の日経新春杯で重賞初制覇を飾ると、続くダイヤモンドSも勝利し、その後も日経賞3着、京都大賞典2着などG2以下の長距離戦ではしっかり結果残していた。
同馬の戦績を振り返ると、冬の寒い時期に好走することが多かった。それに気づいていたファンなら、ダイワスカーレットとの馬連2万9490円という高配当をゲットしていたかもしれない。
ちなみに3着にも10番人気の伏兵エアシェイディが突っ込み、三連単の配当は今もレース史上最高額となる98万5580円をつけた。



