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Orfevre

2年連続の2着…悲願に最も迫った“暴君”

 そして3頭目はオルフェーヴルだ。この馬に関しては、2012年と2013年の2年連続で2着となっている。特に1度目の2012年は、本当にゴール目前で手から勝利がこぼれ落ちたようなレースであった。

 オルフェーヴルは、2011年の3冠馬であり、さらに3歳にして年末の有馬記念も制した。翌年の春は気性面の問題で敗戦もあったが、仕切り直した宝塚記念を制し、国内最強の地位を手中に収めての挑戦であった。前哨戦のフォワ賞を勝ち、現地でも有力馬に挙げられて迎えた本番。

 後方からレースを進めると、最後の直線で末脚を爆発させ、残り300mで前をまとめて捕える。あとは後続を突き放す一方かと思われたが、前に馬がいなくなった瞬間、内へ内へと切れ込む。鞍上のスミヨン騎手が右ムチを叩いて立て直そうとするも、最内のラチ沿いまでササるロス。そのロスが響き、一度交わしたはずの伏兵、フランス4歳牝馬ソレミアにゴール前で逆転を許してクビ差の2着。

 歓喜の瞬間を信じて疑わなかった日本のファンは、すぐにその状況を受け入れることができなかった。オルフェーヴルは、日本の期待を一身に背負って翌年も凱旋門賞に挑戦した。しかしフランス3歳牝馬トレヴに5馬身差をつけられ、2年連続で2着となったのであった。

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