
今年もいよいよ年の瀬を迎え、競馬界にとって年末の風物詩である、有馬記念が近づいてきた。今年のファン投票1位はレガレイラで、得票数はなんと60万票超。昨年のドウデュースの記録を更新し、歴代最多得票を獲得した。
ということで今回は、有馬記念連覇に挑んだ馬たちをピックアップ。連覇を達成した馬も惜しくも敗れてしまった馬も含めて、印象的だった5頭を順に紹介する。[5/5ページ]
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⑤クロノジェネシス
最後に紹介するのは、クロノジェネシス。2歳時から活躍を見せていた馬だったが、阪神JF2着、桜花賞3着、オークス3着という戦績。3歳春までは世代トップクラスの能力を見せながらも、G1ではあと一歩の競馬が続いていた。
そんなクロノジェネシスのG1初タイトルは、3歳秋の秋華賞。デビューから全てのレースで手綱を執る北村友一騎手とのコンビで勝利を飾ると、翌年の宝塚記念は6馬身差の圧勝。
天皇賞(秋)ではアーモンドアイとフィエールマンに敗れて3着となるも、堂々の1番人気で2020年の有馬記念へと出走した。
天皇賞(秋)で先着を許したフィエールマンと人気を分け合う形となったが、きっちりとリベンジ。宝塚記念と同じく道中まくるような形で前を捕らえての勝利で、春秋グランプリ制覇を達成した。
しかしその翌年には、北村友一騎手が落馬事故によって大怪我を負ってしまう。それでもルメール騎手との新コンビで宝塚記念を連覇。凱旋門賞挑戦を経て、有馬記念で史上初のグランプリ4連覇に挑むこととなる。
3歳にして天皇賞(秋)を制したエフフォーリアと人気を分け合ったレースは、エフフォーリアが勝利。クロノジェネシスは海外遠征帰りであったことも影響したのか、勝負どころで前年のような推進力がなく3着に敗れた。
前人未到のグランプリ4連覇達成とはならなかったが、牝馬にしてその頂に手をかけるところまで上り詰めていたこと自体が、大偉業であった。
このように、これまで有馬記念連覇を達成した馬は、今回紹介していないスピードシンボリを含めて、たったの4頭のみである。
当然のことながらどの馬も名馬揃いであり、レガレイラは史上5頭目の快挙を達成し、歴史に名を刻むことができるか。
注目の一戦となる有馬記念は、今年のJRA開催最終日である12月28日、15時40分発走予定となっている。
【了】
【著者プロフィール:中西友馬】
1993(平成5)年6月18日、神奈川県横浜市生まれ。大学卒業後、競馬新聞社に入社し、約7年間専門紙トラックマンとして美浦に勤務。テレビやラジオでのパドック解説など、メディア出演も行っていた。2024年よりフリーライターとしての活動を始め、現在は主に、株式会社カンゼンが運営する競馬情報サイト『競馬チャンネル』内の記事を執筆している。
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