HOME » コラム » 5選 » 【春秋グランプリ同一年制覇 5選】宝塚記念から有馬記念へ…偉業を達成した名馬たち » ページ 5

宝塚記念と有馬記念、この2レースは「グランプリ」と呼ばれ、ファン投票が行われるG1である。施行時期としても、上半期の総決算と下半期の総決算を担っており、競馬ファンの注目度も非常に高いレースである。
そこで今回は、この「春秋グランプリ」を同一年に制した名馬たちに注目。中でも印象に残った5頭をピックアップして、紹介する。[5/5ページ]

⑤2020年 クロノジェネシス

2020年有馬記念を制した時のクロノジェネシス
2020年有馬記念を制した時のクロノジェネシス

 最後に紹介するのは、クロノジェネシス。最初に紹介したグラスワンダー以来、成し遂げられていなかったグランプリ3連覇を達成し、史上初となる2年連続の春秋グランプリ制覇に挑んだ馬であった。

 クロノジェネシス初のG1タイトルは、3歳秋の秋華賞。阪神JF2着、桜花賞3着、オークス3着と、G1ではあと一歩の競馬が続いていたが、デビューから全てのレースで手綱を執る北村友一騎手とのコンビで、クロノジェネシスにとってのG1初制覇を飾る。

 その後、4歳となって迎えた宝塚記念。同期の皐月賞馬サートゥルナーリアや、直前の大阪杯で敗れたラッキーライラックらとともに上位人気を形成したクロノジェネシスは、3角過ぎから馬なりで先頭まで浮上する衝撃的なレースで、6馬身差の圧勝。

 秋初戦の天皇賞(秋)ではアーモンドアイの3着に敗れるも、続く有馬記念では、宝塚記念の勝利を再現するような馬なりまくりで勝利。天皇賞(秋)で先着を許したフィエールマンにもリベンジを果たし、春秋グランプリ制覇を達成した。

 その翌年には、北村友一騎手が落馬事故による大怪我を負い、ルメール騎手との新コンビで宝塚記念を連覇。凱旋門賞挑戦を経て、有馬記念で史上初のグランプリ4連覇に挑むも、3歳馬エフフォーリアの3着に敗れて現役を引退した。

 惜しくも偉業達成こそならなかったが、グランプリレースでの強さが特に際立つ名牝であった。

 このように、同一年春秋グランプリ制覇を達成した馬たちは、その時代を彩った名馬揃いである。

 2025年は宝塚記念を制したメイショウタバルが、有馬記念に挑戦する予定となっている。今後もどんな馬がこの偉業を成し遂げていくのか、楽しみにしながら見ていきたい。

【了】
(文●中西友馬)

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