HOME » コラム » 5選 » 【春秋グランプリ同一年制覇 5選】宝塚記念から有馬記念へ…偉業を達成した名馬たち » ページ 3

宝塚記念と有馬記念、この2レースは「グランプリ」と呼ばれ、ファン投票が行われるG1である。施行時期としても、上半期の総決算と下半期の総決算を担っており、競馬ファンの注目度も非常に高いレースである。
そこで今回は、この「春秋グランプリ」を同一年に制した名馬たちに注目。中でも印象に残った5頭をピックアップして、紹介する。[3/5ページ]

③2009年 ドリームジャーニー

2009年有馬記念を制した時のドリームジャーニー
2009年有馬記念を制した時のドリームジャーニー

 続いて紹介するのは、ドリームジャーニー。2歳時に朝日杯FSを制して2歳王者に輝くも、その後はG1タイトルから遠ざかる日々が続いていた。

 そしてG1・7連敗で迎えた、5歳時の宝塚記念。断然の1番人気は、ひとつ下のダービー馬ディープスカイであった。

 レースでは、中団から大外を回ってディープスカイとの併せ馬で伸びてきたドリームジャーニーが、馬群を一気に飲み込んで勝利。G1での連敗を7でストップし、朝日杯FS以来2年半ぶりのG1・2勝目を挙げた。

 その後、秋はオールカマー2着、天皇賞(秋)6着を経て、春秋グランプリ制覇を目指して有馬記念に出走。人気を分け合ったのは、初対戦となる3歳牝馬ブエナビスタであった。

 わずかの差で1番人気を譲る形となったドリームジャーニーは、スタートで痛恨の出遅れ。

 後方からの競馬を余儀なくされるも、3〜4角中間あたりからまくるように馬群の大外を回って進出すると、直線はブエナビスタとの人気2頭の叩き合い。

 最後はねじ伏せるように前へと出たドリームジャーニーが、先輩の意地を見せての勝利。史上6頭目となる、春秋グランプリ制覇を達成した。

 全9勝のうち、阪神で4勝と中山で3勝を挙げ、まさにグランプリに愛されたような馬であるドリームジャーニー。

 今では、3冠馬オルフェーヴルの兄として語られることが多いのも確かではあるが、同一年春秋グランプリ制覇は、弟オルフェーヴルも成し遂げられていない大偉業。ドリームジャーニーもまた、紛れもない名馬といえるだろう。

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