宝塚記念と有馬記念、この2レースは「グランプリ」と呼ばれ、ファン投票が行われるG1である。施行時期としても、上半期の総決算と下半期の総決算を担っており、競馬ファンの注目度も非常に高いレースである。
そこで今回は、この「春秋グランプリ」を同一年に制した名馬たちに注目。中でも印象に残った5頭をピックアップして、紹介する。[2/5ページ]
②2000年 テイエムオペラオー

次に紹介するのは、テイエムオペラオー。2000年に入ってから、3連勝で天皇賞(春)を制覇したテイエムオペラオーは、G1連勝を狙って宝塚記念に出走した。
前年の有馬記念でハナ+クビ差の3着に敗れており、前人未到のグランプリ4連覇に挑むグラスワンダーとの再戦を果たす。
好位を進むテイエムオペラオーに対して、その後ろで様子をうかがうグラスワンダー。まさに相手をテイエムオペラオー1頭に絞ったような戦法で挑んだグラスワンダーであったが、直線では引き離される一方で6着に敗れ、グランプリ4連覇の夢は潰えた。
逆に、グラスワンダーを返り討ちにしたテイエムオペラオーは、新たなライバルとなるメイショウドトウもクビ差抑えて勝利。年明けから4連勝を果たし、前年の有馬記念の借りを返してグラスワンダーに引導を渡した。
その後、京都大賞典、天皇賞(秋)、ジャパンカップと連戦連勝のテイエムオペラオーは、年間無敗の年間G1・5勝目を目指して有馬記念に出走する。
道中挟まれて後方のポジションとなるも、最後はスペースのない中で馬群を縫って伸びてきて、宿命のライバルであるメイショウドトウとのハナ差の争いを制する勝利。
この勝利によりテイエムオペラオーは、年間無敗の8戦8勝、古馬中長距離G1完全制覇で年間G1・5勝を達成。
いわゆる「オペラオー包囲網」をくぐり抜け、春秋グランプリ連覇が霞むほどの活躍を見せた、2000年のテイエムオペラオー。まさに「世紀末覇王」の名にふさわしい活躍を見せた1年であった。



