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Chrysoberyl
第21回ジャパンダートダービーを制したときのクリソベリル

④2019年(勝ち馬クリソベリル)

 2019年、トーシンブリザード以来史上2頭目となる無敗のジャパンダートダービー馬が誕生した。それがクリソベリルである。

 父は2002年の覇者ゴールドアリュール、兄は2013年の覇者クリソライトという、まさにジャパンダートダービーを勝つために生まれてきたような血統。

 デビューから一貫してダート戦を使われ、デビュー3戦で2着馬につけた着差は、7馬身→7馬身→5馬身という、ワンサイドゲームばかりであった。

 非の打ち所のないレースぶりでデビュー3連勝を果たし、父子制覇&兄弟制覇のかかるジャパンダートダービーへと駒を進めてきた。直前の単勝オッズは1.2倍、もちろん断然の1番人気であった。

 レースは、東京ダービー馬ヒカリオーソがハナを切り、淀みのない流れ。馬群は縦に長い展開となり、注目のクリソベリルは好位の外めにつける形となった。4角手前で、好位にいたデルマルーヴルが早めに動いて前との差を詰めると、呼応するようにクリソベリルも浮上。2番手集団の外に上がって直線を迎える。

 残り300m辺りまで踏ん張っていたヒカリオーソだが、その外からデルマルーヴルが捕えて先頭に立つ。しかしそれも束の間、すぐ外に迫っていたクリソベリルが残り200mで先頭に立つと、あとは突き放す一方。後続に3馬身の差をつけて快勝した。もつれたその後ろの争いは、早めに先頭に立ったデルマルーヴルが追い上げをしのいで2着を死守。後方から追い上げた羽田盃の覇者ミューチャリーが3着に入った。

 勝ったクリソベリルは、史上2頭目の無敗ジャパンダートダービー馬となるとともに、父子制覇&兄弟制覇も達成。記録ずくめのG1級初制覇となった。

 クリソベリルはその後、G1級タイトルを4つ獲得して2021年に現役を引退。2022年から種牡馬となった。近いうちに、父子3代によるジャパンダートダービー(ジャパンダートクラシック)制覇も見られるかもしれない。

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